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2022年3月 1日 (火)

ロシア通貨危機が始まるか(No.462)

ロシアのウクライナ侵攻が始まった。短期間でウクライナは降伏するとロシアは思ったのだろうか。ウクライナの抵抗は予想以上に激しかった。その理由は様々ある。
① 両軍の兵士の士気の違いがあるのではないか。そもそもこの戦争には大義が無い。ロシア人にとって隣国のウクライナには親戚も知人も多い。日本人にとってみれば北海道を敵として攻撃せよと命令されたようなもの。できれば殺戮に参加したくないだろう。一方ウクライナ兵にとっては外敵から祖国を守るという明確な目的がある。世界中の国々が味方してくれている。ゼレンスキー大統領も首都キエフで徹底抗戦を呼びかけている。
② ウクライナに侵攻しているロシア軍は10万人程度だが、ウクライナの人口は4000万人だ。ウクライナ国防省はキエフ防衛のため市民に1万丁の機関銃を配布した。
米国製の対戦車ロケット弾もある。
米国は3億5000万ドル(約400億円)の軍事支援を行う。
ドイツは対戦車砲1000門、携帯式地対空ミサイル500基を提供
例えキエフが制圧されても、その後ゲリラ戦で勝てる。
③ ゼレンスキー大統領は26日、「協力者たち」がロシア軍との戦いを支援するために発送した武器がウクライナに向かっていることを明かにした。世界中から志願兵が殺到しており、日本からも70名が集まった。

もし、ロシアがウクライナ侵攻に成功し傀儡政権を樹立したら、それは恐怖でしかない。その成功に味を占め日本を含む近隣諸国を同じ手法で次々侵攻するだろう。だから絶対にこの侵攻を成功させるわけにはいかない。ロシアは大国に見えるが、GDPでは日本の3分の1しかなく、今回の侵攻はかつての日本軍の真珠湾攻撃のようなものだ。ロシアが欧米と日本の自由主義連合と戦うのであれば、長期的にはロシアは惨敗する。理想的には今回のウクライナ侵攻はウクライナ自身で阻止し、自由主義連合は間接的な方法でロシアを弱体化させ撤退に追い込み、最終的にウクライナをEUに加盟させるのがよい。

最強の経済制裁は「SWIFT」からの排除だ。EUとアメリカ、フランス、イギリスなど6カ国は連名で、ロシアの一部の銀行を国際的な金融決済システムSWIFTから排除するとの共同声明を発表、日本もそれに加わった。これによりロシアとの国際送金が困難となりロシアの輸出入にブレーキが掛かる。海外での借り入れや投資が困難になる。SWIFTは金融の核兵器と言われるほどの強力な制裁となる。2012年SWIFTから締め出されたイランはGDPが12年にマイナス7.4%、18年にマイナス6%になり18年は通貨リアルが6分の1に下落した。この制裁によりロシアの通貨ルーブルが信認を失い、ルーブルを保有する人々が一斉にルーブルを売り始めている。結果として急激なインフレを招き、それを止めるためロシア中銀は政策金利を9.5%から20%に引き上げた。大規模なルーブル売りが続くとやがて外貨が枯渇しデフォルトに陥る。そのときIMFはロシアに厳しい要求を突きつける。

戦争を維持するには巨額の費用が掛かり、経済小国のロシアに戦争維持は無理だからウクライナから撤退するしかない。制裁で最も大きな影響を受けるのはロシアだが、それ以外の国もそれなりのダメージを受け、日本も例外でない。コロナ禍で打撃を受けた経済が復活する前に「ロシア経済危機」の影響を受ける。かつてアジア通貨危機、リーマンショックなどで経済的な打撃を受けた国々は早期に克服し発展軌道に復帰させているが、日本だけはいつまでも復活できないでいる。今回の経済危機にも日本は対応に失敗するのではないか。しかし適切な財政出動で経済が蘇ることが示された。詳細は以下を参考にして頂きたい。
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