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2022年4月12日 (火)

ロシアのウクライナ侵攻とウクライナの反撃(No.464)

ロシアがウクライナを侵攻して1か月半が経過した。我々戦争を知らない世代にとって信じられないウクライナの光景を毎日見せられている。「戦争反対! No War! Нет войне!」という言葉を数限りなく見聞きしてきたがその訴えもむなしく破られた。もしロシアがこの戦争に勝利したら、ロシアの周辺の国々を次々と占領しその住民を大虐殺するだろうし、その一つが日本かもしれない。我々日本に暮らす人間として現在の平和な暮らしを壊されたくない。

今は我々はウクライナに勝って欲しいと願うしかない。プーチンは軍事大国ロシアが戦力をフルに投入すれば数日で首都キーウを落とすことができ、親ロシア政権を樹立することができるだろうと思っていた。しかし米国軍などから指導・支援を受けたウクライナの反撃は予想を遥かに超えるものだった。ウクライナのゼレンスキー大統領がウクライナを守るためにキーウに留まり戦うと宣言したのには、世界が驚いた。それがウクライナ兵の士気を高め、逆にロシア兵の士気を落とした。ロシア兵は「演習だと聞いていた」「ウクライナでは歓迎されると聞いていた」「食糧も弾薬も燃料も来ないから戦えない」「銃で自分の足を撃って、負傷兵として帰りたい」などと言った。

1か月半の間に失われたロシア軍の戦力は15%以上とか3分の1以上とかと言われていて、ロシア大統領報道官も「我々の部隊には甚大な損失が出ていて大きな悲劇だ」と述べている。西側から提供されたウクライナ軍のミサイルにやられまくったロシア軍の弱すぎる戦車の実態が明らかになり、ロシア戦車が劣悪だと知られるようになったのはロシアの軍需産業には痛手、大きな戦果を挙げた米国の軍需産業には良いPRの場になった。

当初、ロシアとの全面戦争に巻き込まれたくないと思っていた西側諸国も、この弱いロシア軍を見て、もっと本格的にウクライナを支援しようという動きが活発になってきた。欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は4月8日、キーウを訪問し、ゼレンスキー氏と会談した。声明で「欧州はあなたたちの側にある」とウクライナへの連帯を表明。ウクライナのEU加盟に向けて審査手続きを加速させる考えを示した。これまでにEUで合意したウクライナへの武器調達費10億ユーロ(約1300億円)に、さらに5億ユーロを上積みすると表明した。ジョンソン英首相は4月9日、キーウを訪れ、ゼレンスキー大統領と会談。120台の装甲車や対艦ミサイルの新たな提供など軍事支援の強化を表明した。それ以外にも米国、チェコ、ドイツ、スロバキア、ブルガリア、ルーマニアなど、次々と武器の提供を行っている。武器だけでなく、各国から義勇兵が次々ウクライナに入っている。

ウクライナ軍の予想外の反撃でロシア兵の士気は下がる一方である。ロシア兵は自分のスマホで連絡しているので、GPSの位置情報を傍受され、ピンポイントの攻撃を受けている。
ウクライナはロシア兵士一人一人にSNSで「ちゃんと捕虜として待遇する。快適な環境を用意する」と送信。安心して投降するよう、呼びかけている。軍から離反するロシア兵は日に日に増加しているという。100人以上の兵士が「自由ロシア軍」を結成し、ウクライナ軍への編入を志願した。ロシア軍は全力投入したが、キーウから撃退された。ロシアは経済小国でありGDPは米国の14分の1,日本の3分の1、韓国並みにすぎない。軍事費も米国の13分の1だ。ロシアを恐れる必要は全く無い。自由で民主的な国々が結束してウクライナに侵入したロシア軍を追い出せば再び地球に平和が戻る。ロシアへの経済制裁で世界経済にダメージが生じるかもしれないが、協力してこの困難を克服すべきだ。

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