経済・政治・国際

2017年2月18日 (土)

第139回 日本経済復活の会定例会(No.235)

講師 小野 盛司 日本経済復活の会会長 
会の活動報告、『日本経済復活への道 -刷ったお金は使いなさい-』

   会長以外の登壇者は未定です。
   また日本経済等の事柄に関し、ディスカッションの時間もあります。
    

○ 日時 平成29年2月25日(土)午後5:40時~午後9:30時
                 (開場5:30、講演開始5:40)

○ 場所 東京都文京区本郷4-15-14 文京区民センター 2-B会議室 
TEL 03-3814-6731

○ 会費 1000円(資料代を含みます。)当会合に関する一切の問い合わせと、御来会の可否は小野(03-3823-5233)宛にお願いします。メール(sono@tek.jp)でも結構です。ご協力お願いします。  

2351_2


文京区民センター
TEL 3814-6731

●地下鉄丸の内線後楽園駅「4b」 出口徒歩5分
●地下鉄南北線後楽園駅「6」出口徒歩5分
●都営三田線、都営大江戸線
春日駅「A2」出口徒歩0分
●JR水道橋駅東口出口徒歩10分
●都バス(都02・都02乙・
上69・上60)
 春日駅前徒歩1分

日本経済復活の会のホームページと連絡先
http://tek.jp/p/
TEL:03-3823-5233
FAX:03-3823-5231
担当 小野盛司

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2017年1月27日 (金)

内閣府計量分析室(オオカミ少年)がまた試算を発表した(No.234)

1月25日、例年のごとく内閣府は「中長期の経済財政に関する試算」を発表した。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/h29chuuchouki1.pdf
いつも見当違いの高成長を予測し、毎回大きく外れているので「オオカミ少年」とか「大本営発表」とか「狂った羅針盤」とか呼ばれている。筆者は毎回内閣府に電話し厳重に注意しているが、反省の色は全くなく、国民を騙す意図がありありと見える。

残念ながらマスコミはすっかりこのような子供だましの試算にすっかり踊らされているようだ。例えば日経新聞では「20年度黒字化困難に」「基礎的財政収支赤字拡大8.3兆円」という見出しのトップ記事が26日に出た。マスコミは試算に騙されて、あたかも増税や歳出削減が足りないから基礎的財政収支(PB)の赤字が拡大するかのように言うが、実際は単に内閣府の試算が嘘を言っているだけだ。
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-9754.html

なぜPBの赤字が拡大したかと言えば、税収が減ったから。なぜ税収が減ったのかと内閣府に聞いたら2016年度の成長率が落ちたからだという。今回の発表で2015年度の名目成長率は2.8%だが、2016年度は1.5%に下がった。1年前には2016年度の成長率は3.1%を予測していたから、大幅な下落(下振れ)だ。これぞ真に内閣府がオオカミ少年と呼ばれる所以だ。「来年こそは日本経済は大きく発展します」と予測し、来年になると、間違いでした、でも次の年はきっと大発展するでしょうと言う。オオカミ少年は毎年同じ嘘を言い続けているのに、なぜ、国民も政府もマスコミも騙され続けているのだろう。

反論する人がいるかもしれない。2015年度は2.8%成長していたのだから、2016年度は3.1%成長と予測しても不思議ではないと。しかしそれはおかしい。なぜなら内閣府は2015年度の名目GDPの成長の大部分は輸入価格の下落、主に原油価格の下落によるものだと言っている。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/files/2016/qe161/pdf/gaiyou1611.pdf#search=%272016%E5%B9%B4%EF%BC%91%EF%BD%9E%EF%BC%93%E6%9C%88%E6%9C%9F%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F%E5%88%A5%EF%BC%A7%EF%BC%A4%EF%BC%B0%E9%80%9F%E5%A0%B1%27

原油は1バレル当たり100ドルから50ドルに値下がりした。それが翌年も続いたら原油はタダになってしまい、値下がりは止まることは容易に推測できた。つまり2016年度に3.1%成長させるには原油をタダにしなければならないし、それはあり得なかったのだから当然3.1%成長でなく1.5%成長は予測できたはずだ。だからこれから内閣府はオオカミ少年という名称に変えるべきだ。国民を騙していることを簡単に知るには次のグラフを見ると良い。

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地を這うような2本の黒い線は、実際の名目GDPの推移である。GDPの計算方法が変わり、下の線が従来の方法で計算したもので、上の線が新しい計算方法で計算したもの。アベノミクスが始まった2013年度から上昇に転じているように見えるが注意が必要だ。2014年度は消費税が5%から8%に上がり、物価がかさ上げされた。そのお陰で、GDPもゲタをはいたのであり、これは誰も望まない悪い物価高、歓迎されないGDPの伸びでありこのゲタは10兆円程度ある。2015年度は先程述べた原油価格の下落によるゲタであり、アベノミクスの成果とは言えない。安倍総理はアベノミクスで44兆円GDPが増加したと口癖のように言うが、国民を騙すのを止め、44兆円のうちで、アベノミクスの成果はかさ上げされた部分を除くといくらになるのか明かにすべきだ。実際はアベノミクスでは先進国では最低レベルの成長しかしていない。

上図で右上がりの線がたくさん引かれている。これらは各年度で発表された名目GDPの予測だ。毎年3%成長するだろうとして右上がりの線を引っ張っているからこのようになる。今年発表になったのは黒い点線だ。今年のものは新しいGDPの計算法で、それ以前のものは古いGDPの計算法で示してある。本当に3%成長をすれば、600兆円、700兆円はあっという間に到達するのだが、2015年度のGDPですら1997年度のGDPより低い。つまり20年前のGDPの水準さえ達していないというあわれなマイナス成長だ。こんな馬鹿なことをやっている国は世界中探しても無い。3%成長は夢の又夢だ。これだけの低成長を続けているのに、なぜ低成長の予測を出さぬのかと聞くと、彼らは政府は3%成長だと言っているのでそういった予測しか出せないと言う。つまり国民を騙す予測を出すように強要されている。

その最大のネックになっているのが、基礎的財政収支の黒字化という目標だ。目標達成のためには増税と歳出削減が必要だという。それも欺瞞的な内閣府試算(上図を見れば、この試算はデタラメであるのは明か)を元に緊縮財政が必要だと論じる。例えば今年の試算に騙された日経は「20年度黒字化困難に」「基礎的財政収支赤字拡大8.3兆円」と言った。ではどうして8.3兆円に赤字が拡大したかはすでに述べたように「今は経済は停滞してますが、来年は一気に成長します」という決まり文句が根底にある。来年になればまた同じ下方修正をすればよいだけ。なぜ、国民は、いや日経までもがそのトリックに気付かずあのようなトップ記事を書いてしまうのだろうか。

今回の発表で是非注目して頂きたいのは国債費の大幅な減少だ。例えば2024年の予測では、国債費は42.4兆円であった。1年前の試算では52.9兆円と予測していたから約20%もの減少だ。これは「長期金利を0%程度に誘導する」という日銀の新しい金融目標の効果と言える。金利がかなり長い間低い水準に抑えられると予測し、そのお陰で国債費は大きく減少するということだ。

最後に次のグラフを見て頂きたい。これは財政赤字と国の債務のGDP比の関係だ。

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2025年まで大幅な財政赤字は続き国の債務は増加を続けるのだが、国の債務のGDP比は確実に減っていく。これを見れば、「基礎的財政収支や財政収支の赤字など気にしなくて良い。国の債務のGDP比さえ減ればいいんだから」という議論が成り立つ。それはGDPが増加するからそう言えるのである。積極財政で名目GDPが増えれば、間違いなく債務のGDP比を減らすことができる。これはどこの国でもやっていることだ。国の借金の増加など気にせず経済成長第一の政策に転換すべきだ。トランプ大統領と歩調を合わせ思い切った積極財政政策への転換を期待する。現在のような緊縮財政を続けるならGDPは伸びないから、債務のGDP比は増え続けるのだということは注意したい。

 

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2017年1月25日 (水)

アメリカ大統領は本当にトランプでよいのか(No.233)

トランプ氏の大統領就任時の支持率は40%で不支持が54%、就任翌日には全米で数百万人の反トランプデモが行われ、反トランプデモは世界各地でも行われた。人種差別主義者の彼はいつどこで襲われるかもしれない恐怖の中で暮らさなければならないだろう。大統領選挙でもトランプ氏はクリントン氏に300万票差で負けていた。トランプ氏を大統領にしてしまったのは、偏ったアメリカの報道である。彼の考えはどんなパブリシティーも得になるということ。ネガティブな報道が彼を有名にした。ネガティブな話題でも報道されないよりずっといい。スキャンダルでも報道されれば、人は彼に注目し、それが票に繋がった。

クリントン氏の失敗はトランプ氏の政策の間違いを話題にし過ぎたことだ。結果としてトランプ氏の政策ばかりが報道された。トランプ氏の政策は余り触れずに自分の政策を中心にアピールし続ければ勝っていた。

トランプ氏の致命的な過ちは、製造業が「衰退」したのは工場がメキシコに移ってしまったと思い込んでしまったことだ。過去25年でアメリカの製造業雇用は500万人減少したが、NAFTAで増えたメキシコの製造業の雇用の増加は50~80万人にすぎない。アメリカ製造業の雇用減少は機械化、IT化である。実際、製造業は衰退しておらず、鉱工業生産指数は増え続けている。つまり生産性が向上し少ない人数でより多くの生産ができるようになっただけだ。この傾向は誰にも止められず、『労働はロボットに、人間は貴族に』の世界へと移っていく。

単純素朴に考えてもトランプ氏の考えが間違いであることはすぐ分かる。ある企業がある機械を製造しようとしたとする。部品を輸入するときメキシコ製や中国製を使わず、割高なアメリカ製を使えと政府から言われたら、割高な製品となり、アメリカの消費者は割高な製品を買うことにより実質所得が減り貧乏になる。割高な製品は国際競争力を失い売上げも利益も減少し、リストラをしなければならなくなり、多数の雇用が失われる。またそのような部品もアメリカで製造しなければならないのであれば、そのような工場はメキシコや中国との競争に晒され、賃金を低く抑えなくてはならなくなる。100円ショップ(米国ではダラーショップ)の経営は成り立たなくなるし、消費者は割高のものばかり買わされる。

そんな質の低い雇用を増やすべきではない。これからのアメリカ経済を牽引するのはハイテク企業である。アップル、マイクロソフト、グーグル、アマゾン、フェイスブックなどのような新しいハイテク産業に巨額投資をして雇用を作り出した方が国民を豊かにする。国際競争力があるので、メキシコなどと賃下げ競争をする必要はない。ハイテク産業は高度な技術者だけを採用するだろうか。そうでもない。人工知能にはビッグデータが必要だし、それは人海戦術で蓄積していくしかないので広範囲の人材が必要となる。

ほぼ完全雇用の状態のアメリカに必要なことは質の悪い雇用を増やすことではない。むしろ、質の悪い雇用を質の高い雇用に置き換えることだ。アメリカにはゴーストタウンはたくさんある。大統領のやらなければならぬことは、時代遅れの廃れた産業を復活することではなく、未来を切り開く新しい産業を更に発展させることだ。基軸通貨国であるアメリカは貿易赤字で世界経済に成長通貨を供給する義務があることを忘れてはならない。

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2017年1月 9日 (月)

トランプノミクスで経済はどうなるか(No.231)

トランプ次期米大統領がどのような政策を打ち出すのか世界が固唾を呑んで見守っている。円安・株高で、一見望ましい方向に進んでいるようにも見える。10年間で6兆ドル(約700兆円)の減税を行い、法人税は35%から15%に下げ、所得税も下げるという。  日本は法人税を37%から29.97%に下げたばかりだ。10年で1兆ドル(117兆円)のインフラ投資をすると言い、民間投資も活用するのだそうだ。

このように勇ましい積極財政であれば、デフレ気味の世界経済に好影響をもたらしそうだが、財政赤字を拡大して(つまりお金を刷って)行う積極財政ではなく均衡財政を保ちながら行うという。財源を彼が見いだせるとは思えない。米企業が海外にためた300兆円弱もの資金を米国に還流させ、国内投資を増やすのだそうだ。このお金は彼が自由にできるお金ではない。ドルを一気に米国に還流されればインフレとドル高で米企業が競争力を失う。企業の収支とは全く異なる。それよりFRBがドルを刷ったほうがずっとよい。それならドル安が進みアメリカ企業は競争力を増す。米国政府が自由になるお金なので、IT,AI,IoT等、アメリカの将来を見据えて投資すればよい。

刷ったドルで海外の資産を買いまくることもでき、アメリカが世界の警察官を続けることができる。アメリカの若者を送り出すのが嫌なら傭兵でも構わない。経常赤字・財政赤字・貿易赤字になるだろうが、それが世界経済に成長通貨を提供しデフレ気味の世界経済を活性化する。「お金がなければ刷りなさい」とトランプ氏に教えればよい。

彼は雇用創出にやけに熱心だ。2500万人の雇用を創出するという。800万人しか失業者がいないので、本当にそうなれば労働者と取り合いでインフレになり米企業が競争力を失う。条件の悪い雇用を増やすことになり労働者にとっては悪い政策だ。しかも200万~300万人の犯罪歴のある不法移民を追放するのだという。支離滅裂で国民のためになるとは思えない。

フォードが計画していたメキシコでの自動車工場建設を取りやめさせ、GMがメキシコで小型車を生産して米国に逆輸入していると批判、35%の多額の国境税を課すと警告した。トヨタに対しても脅しをかけている。これはNAFTAに違反するから、NAFTAを脱退するのか。そうしてもWTO違反になりWTOまで脱退するとアメリカは完全に世界から孤立する。イギリスもEUは離脱するが、自由貿易は死守したいと必死だ。保護貿易によるダメージがどれだけ甚大か彼は分かっていない。

メキシコの労働者の時給は米国の10分の1程度であり、メキシコの代わりに米国で車を生産すると1台あたり14万円程度高くなる。つまり車のコストに占める人件費の割合は5~10%程度だということで、メキシコでつくれば人件費の割合は1%程度ということになる。すなわち99%はロボットがつくっている。将来は100%ロボットがつくるようになるし、その時はメキシコでつくってもコストは同じだ。ラストベルトと呼ばれる地区で次々工場が閉鎖されたのはNAFTAのせいではなく、ロボットが人間に替わって仕事をするようになったお陰だ。技術革新で暮らしが豊かになっていく移行期間だ。「労働はロボットに、人間は貴族に」という考えで労働者を更に労働条件のよい職場へ移動させるのが大統領の役目だ。

メキシコから条件の悪い雇用を米国に持ち込むのではなく、刷ったお金でもっと条件の良い米国の発展を促進してくれる雇用を作り出せばよいだけだ。

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2017年1月 4日 (水)

デフレなのにハイパーインフレを恐れる政府(No.230)

この20年間、政府はデフレを恐れなければならなかったのに、なんとハーパーインフレを恐れたため、結局デフレが続いてしまったという笑い話のような悲劇が続いている。

2016年1月3日のTBSの時事放談で石破茂地方創生担当大臣は「財政規律が緩んでしまったらハイパーインフレしかないと強く認識している」と発言した。その事に対し、政府は本当にハイパーインフレになると考えているのかと質問主意書で聞くと、安倍総理からの答弁書では「ハイパーインフレは極端な物不足の時に起こるもので、現在の我が国の経済状態では発生するとは考えていない」と答えた。

日銀保有の国債を無利子・無期限のものに替えたらどうかと質問すると、答弁書では「それは通貨の信認が失われ激しいインフレを引き起こす」と答えた。つまりハイパーインフレということだから前述の答弁と矛盾する。次回の質問主意書でこの点を徹底追求する。ところでハイパーインフレはどのようなときにおきるのだろうか。

例えば戦後の賠償金の支払いなどに伴う財政赤字の急膨張で紙幣を大量発行したときなどに起きるが、紙幣発行を止めればハイパーインフレは止まる。紙幣が大量発行され、それが流通し始めると需要が急拡大し、その需要に供給が追いつかなくなればそのバランスが取れるようになるまで値上がりする。紙幣発行が止まれば、インフレも止まる。日銀保有の国債を無利子・無期限のものに交換しただけでは、国民の可処分所得は増えないわけで需要の急増は考えられない。石破氏の発言も、「財政規律が緩んだ」というのが何を意味するかはっきりしないが、「少しでも財政を拡大した場合」と言いたいのではないか。

そんなに簡単にインフレにすることができるなら、なぜ20年間もデフレを続けなければならなかったのだろう。もし日銀保有の国債を100%交換すると100%のインフレ率になるのなら、2%だけ交換すれば2%のインフレ目標は達成されるわけだろう。インフレ率2%になれば、名目GDP成長率は通常4~5%程度になるし、それによって国の借金のGDP比は4~5%減少する。失われた20年に完全に終止符を打つことができ、歴史的な大偉業になる。

しかし、国債の交換が経済に対してそのような絶大な効果を生み出すものなのだろうか。日銀保有の国債の利子は日銀納付金として国庫に返される借換債の発行により繰り延べも自由自在にできるので、無利子・無期限のものと実質変わりはない。交換によって一部の馬鹿なマスコミが騒いだとしてもそれが自分の生活には関係ないとほとんどの人は考えるだろう。それによって需要と供給のバランスが大きく崩れで深刻な物不足になるとは考えられない。可処分所得は増加しないのに、米やテレビや車の消費量が一気に何倍にもなるわけもない。あるいは、これらの生産量が一気に何分の一に落ち込んで深刻な物不足になることもあり得ない。消費者に、あるいは企業に聞いてみれば良い。全く影響がないと答えるに違いない。つまりハイパーインフレになるというのは、インフレ恐怖症と呼ぶべきで、どこかで治療をしてもらう必要があるのではないか。その恐怖症によって日本が20年に及ぶ深刻な経済低迷に落ち込んでしまっているのだから。

この恐怖症を克服し日銀保有の国債を無利子・無期限のものに交換すれば、日本国民は一人当たり1千万円に近づこうという国の借金の重圧から逃れることができ、一気に経済が息を吹き返すのである。

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2016年12月19日 (月)

家計の借金と国の借金の比較に意味がありますか(No.229)

財務省のホームページには、「国の借金を家計に例えると月収30万円で支出が53万円だから毎月23万円の赤字、その結果ローン残高は5143万円になった」という例え示しています。これって、意味がありますか。
(1)常識的に考えれば、この家庭はとっくに破綻しています。こんな家庭には誰もお金を貸しませんからすぐに破綻し、借金は踏み倒されるでしょう。これを国の借金に例えるなら国債が間もなく紙くずになるということです。国はそれは絶対にあり得ないと言います。だったら、国の借金を家計に例えることはできないのではないでしょうか。
(2)現在、日銀は大量にお金を刷って国債を買い上げることによって借金返済を行っています。自宅の離れでお金を刷って借金返済をしている家庭なんてありますか。
(3)国債を買い上げて支払った代金の多くは日銀当座預金に溜まっています。つまりこの家庭で刷ったお金で銀行から借りたお金を返済したのですが、そのお金を銀行はこの家庭に預けているのです。普通の家庭と銀行の関係と違いすぎないですか。
(4)この家庭は銀行がこの家庭にお金を預ける(日銀当座預金)ことを快く思っておらず、銀行から預かったお金の一部に金利をかける(マイナス金利)と言っています。そんな強気の家庭って聞いたことありますか。
(5)この家庭の借金の金利は自分で決められるのですね。最近は金利をマイナスにすると言い出しました。借金をしてほしければ、金利ゼロどころか手数料を払えと言っているのです。一般家庭でそんなことが言える家庭って聞いたことありますか。
(6)銀行はこの家庭に貸したことによる金利が重要な収入源になっているので、むしろ借金を急いで返して欲しくないと考えています。1つの家庭で、ここまで銀行を支配している例がありますか。
(7)この家庭は、銀行を潰そうと思えば潰せるのですね。そんな家庭ってありますか。
(8)果たして、本当にこの家庭はお金に困っているように見えますか。政府は財政が厳しいと言ってますが、この家庭はお金の調達に困っているようには思えません。

国の借金と家計の借金はあまりにも違いすぎて、例えは全く不適当だと思うのですが如何ですか。

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2016年12月18日 (日)

日銀の国債を無利子・無期限の国債に置き換えたらどうなるか(No.228)

OKWaveというサイトでこの質問をしたら、素晴らしい回答が返ってきた。これは質問主意書や予算委員会などのやり取りよりはるかにハイレベルなやり取りになったので是非紹介したいので以下に書きます。

【質問者】
衆議院議員の質問主意書で、日銀の国債を無利子・無期限の国債に置き換えたらどうかと質問したのに対し政府の答弁は「それをやると通貨の信認が失われる」というものでした。それに対し、「通貨の信認が失われると、日本国内で日本円が使えなくなり、物々交換以外の経済活動が全部ストップするということか」と再質問すると、政府答弁は「日本円が使えなくなるとは考えていない。通貨の信認が失われると激しいインフレが起きる」というものでした。つまりハイパーインフレになるだろうと言うのです。しかし過去の答弁書(内閣衆質190第39号において「ハイパーインフレ-ションは、戦争等を背景とした極端な物不足や、財政運営及び通貨に対する信認が完全に失われるなど、極めて特殊な状況下において発生するものであり、現在の我が国の経済・財政の状況において発生するとは考えていない。」と答えていますので明らかに矛盾しています。ということは、日銀の国債を無利子、無期限のものに置き換えても、何も困ったことは起きないということではないですか。

無利子・無期限の国債はもはや国の借金ではありませんから、置き換えにより国の借金は一気に半分近くに減少することになると考えますが如何でしょう。

【回答者】
『無利子・無期限の国債』を質問者さんは持ちたいでしょうか。

 「無期懲役」というのは、期限の定めがないということだそうで、囚人は十数年で刑務所から解放されたりするようですが、本件の場合の「無期限」ということは「期限が来ない、永久に」という意味でお使いですよね?

 ということは永遠に「円」に変わらないということですから、誰も持ちたがりません。税務署や自治体だけが、誰も欲しがらないような物品でも「100万円の価値あり」とか言って課税してきますが、「じゃあ税務署や市にタダで寄付する」と言っても受け取りません。

 「現金ではなくその国債で納税する」と言ったら税務署は拒否するでしょう。

 税務署もふくめ誰も買わない国債は、紙切れ(最近は紙切れも発行しないが)・数字にすぎません。そんなものを大量に抱えても、お金の代わりにはなりません。

 つまり、市中銀行が「緊急事態だ!カネを貸してくれ」と日銀に頼んでも日銀には「お金がない」という事態に陥るわけです。

 お金がなければ、取り付け騒ぎなどになっても援助ができないから、市中銀行の倒産も現実になりますし、助けてくれない日銀など市中銀行には無価値。「A銀行はB銀行を救済合併しないさい」なんて日銀が言ったって誰が従うか!、という話。

 結局、日銀は日本銀行券を印刷してお金を用意するしかないのです(インフレ要因)。

 また逆に、「インフレ傾向が出たから市中のお金を吸い上げたい」と思って、日銀が売りオペレーションをやろうとしても、銀行は「誰も買わない・利息も付かない国債」など受け取りません。

 市中銀行は「営利団体」ですから、そんなものを受け取る経営者は背任罪ですし、利益度外視で受け取らせても、銀行の金庫がカラになって取り付け騒ぎに応じられなくなります。お金を引き出しに来た人に、「代わりに無利息で永遠に円にならない国債を渡します」なんて言ったって、誰がOKするでしょう。

 ふつうは、市中銀行が押しつけられた国債を一般企業・個人に売って、銀行の金庫をお金で満たす(市中のお金が回収されてインフレが止まる)のですが、そんな紙切れは誰も買わないから、銀行にお金が戻ってくる(出回っているお金が回収される)こともない。

 かくして、日銀はインフレを事前に阻止するなど、景気のコントロールできなくなるのです(インフレ加速要因)。

 弊害はもっとたくさんあります。止めた方がいい政策です。

【質問者による反論】
江戸時代は改鋳を繰り返し通貨の量を増やして経済を拡大してきました。無利子無期限の国債を日銀に保有させることは、市場に成長通貨を供給し停滞する日本経済を蘇させる手段なのです。実際、日本銀行は大量の国債を保有しており、その利子は日銀納付金として国庫に返しています。さらに、借換債を発行しいくらでも繰り延べできますから事実上無利子・無期限の国債を持っていることと同じです。つまりこの置き換えによって何も変わることはありません。しかし、変わるのは国民の意識です。もうこれは国の借金ではなくなったと国民が考えるようになったら日本人に希望を与えるのは間違いありません。今のままだと、日本人全員が一生の間苦痛に耐えて一生懸命返済したとしても決して返せません。大増税をして恐慌に耐えたとしても返せません。そんな絶望から、この置き換えで抜け出すことができる素晴らしい政策なわけで、江戸時代の経済を発展させた政策なのです。

日銀にお金が無くなる話をされましたが、通貨発行権には限度があるのですか。第一次大戦の後のドイツも随分お金を刷りましたが、限度があったわけでなく、インフレを止めたくなったから刷るのをやめただけです。止めた瞬間にインフレは止まりました。日本もインフレ目標に達した瞬間に止めればよいだけでしょう。

インフレ傾向が出たから市中のお金を吸い上げたいと思ったら、政府がその無利子・無期限の国債を買い上げ、増税をすればよいだけです。つまり余った通貨を市場から吸い上げ、そのお金で日銀から国債を買う。つまりお金の流れを逆にすればよいだけです。これでインフレは阻止できます。弊害なんてありません。

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2016年12月15日 (木)

トランプ氏の超積極財政に市場が好意的だったこと事に関する質問主意書と答弁書(No.227)

平成28年12月1日提出

質問第179号

トランプ氏の超積極財政に市場が好意的だったこと事に関する質問主意書

                  提出者 福田昭夫

トランプ氏が次期米国大統領に選出され、超積極財政政策が発表されたことを市場は好意的に受け止めダウ平均株価は史上最高値を更新した。またOECDはトランプ氏の掲げるインフラ投資など、各国の財政政策が世界経済を押し上げると予測している。一方日本においては財政が厳しいとして1982年9月に当時の鈴木善幸首相は「財政非常事態宣言」を出し、1995年11月にも村山富市内閣時代「財政危機宣言」が出されている。国の借金のGDP比は小さかったのに本当に財政は危機的だったのかという疑問が生じるがそれに対し政府は納得できる説明を行っておらず、積極財政は悪、緊縮財政は善と決めつけている。このように政府が財政に対する異常な考えを持つ国は世界的にも例がない。財政が厳しいなどと言って国民を騙し続けた政府はひたすら緊縮財政を続けた。その結果かつて奇跡の経済復興と言われた日本経済だが、一転して失われた20年と言われる深刻なデフレ不況に追い込まれてしまった。このことに関して質問する。

1.1982年9月に当時の鈴木善幸首相により「財政非常事態宣言」が出され、1995年11月に村山富市内閣で「財政危機宣言」が出された。当時本当に財政は危機的だったのか。 

2.アメリカで超積極財政が市場に好意的に受け止められている。アメリカでは積極財政が許されて日本では許されない理由は何か。

3.日本でもアメリカと同様に積極財政に転じれば、株価上昇、デフレ脱却、インフレ目標達成、景気回復が期待できるのではないか。その場合通貨の信認や国債の信認が失われると考えているかもしれないが、アメリカでは通貨の信認や国債の信認が失われていない。

4.もしもこのまま日本が積極財政に転換せず内需拡大を怠り、一方でアメリカが積極財政を行えば、ドル高円安のため貿易不均衡が拡大する。製造業をアメリカに取り戻すと公約したトランプ氏だから、現在の日本の金融政策を円安誘導策と見なし対抗策をとると、日米の通商摩擦が再燃する恐れが出てくるのではないか。

5.アベノミクスは3本の矢ということになっていたが、事実上は金融政策だけで景気を回復しようとしていた。その理論的な支柱であった浜田宏一氏は、その考えが間違いであり金融政策だけでは不十分だったということを11月15日に日経新聞で明かにした。浜田氏の考えに同意するか。

6.ジャクソンホール会合の基調講演でノーベル経済学賞を受賞したクリストファー・シムズ氏(プリンストン大教授)が「金融政策が効果を発揮するには財政政策の裏付けが必要」と主張した。その論文を読んで浜田氏は自分の考えの誤りに気づいたという。「シムズ氏の論文を紹介され、目からウロコが落ちた。金利がゼロに近くては量的緩和は効かなくなるし、マイナス金利を深掘りすると金融機関のバランスシートを損ねる。今後は減税も含めた財政の拡大が必要だ。」というシムズ氏と浜田氏の主張をどのように考えるか。

7.浜田氏は国の借金のGDP比に関して「政府の負債である公債と中央銀行の負債である貨幣は国全体のバランスシートで考えれば民間部門の資産でもある。借金は返さずに将来世代に繰り延べることもできる。」と述べている。この考えに賛成するか。

8.政府は国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っているのではないかという疑問に関する質問主意書(質問第126号)の答弁書(以下答弁書という)の3及び8についての答弁は間違いである。質問主意書では「この家庭では離れで(つまり日銀が)お札を印刷することが許されていて、そのお金で借金を返している。」と例えた。答弁書では日銀による国債引受は財政法で禁止されていると主張したが、日銀が市場から国債を買うことはもちろん許されているわけであり、この答弁は間違いであると考えるが同意するか。

9.日銀は11月7日、ホームページ上で公表していた金融政策と長期金利の関係に対する見解を修正した。これまでは長期金利について日銀の金融市場調節で誘導することは「容易ではない」としていたが、マイナス金利と大規模な国債買い入れの組み合わせが「長短金利全体に影響を与えるうえで有効」と証明されたということで、長期金利を0%程度に誘導するという目標が可能であるとした。これは国債価格支持政策と呼ばれ、アメリカでもFRBは、国債利回りが上昇することを抑制するために、1942年から1951年まで米国債を買い支えた。これによって米国の長期金利は概ね2.5%以下に抑制された。この国債価格支持政策により、現在政府はほぼ0%の金利で資金を調達することができるのだから、これは財政が厳しくないことを意味しているのではないか。近い将来、金利の誘導目標が0%から引き上げられることがあったとしても、アメリカの例もあり、かなり長期間低金利に抑えられると考えられるので、財政は厳しくないということには変わりはないのではないか。

10.現在0%の金利であっても、将来金利が上がるかも知れないから財政が厳しいという論理は正しくない。将来金利が上がる可能性があるのは世界のすべての国にも言えることであり、世界中すべての国の財政が厳しくて、緊縮財政を行ったら世界大恐慌になる。長期金利が高い国は財政が厳しいが、低い国は財政が厳しくない。長期金利が低い国が率先して積極財政を行い世界経済の牽引役にならないと世界経済の発展はないと考えるが同意するか。

11.国の財政を家計に例える場合、例えば、銀行が家計Aに対し0%で金を貸すと判断し、その銀行が別の家計Bに10%の金利でなければ貸さないと判断した場合、Aの家計は厳しくないがBの家計は厳しいと言えるのではないか。その意味で現在の日本は世界で最も財政が厳しくない国の一つと言えるのではないか。

12.十二 答弁書の「一、二、四から六まで、九、十、及び十三について」で国の財政と家計に関して、それぞれの債務はいずれも期日までに返済する必要があるという共通点があると述べている。共通点はたったこれだけであり、質問主意書の二から八まで、相違点を詳しく説明した。共通点だけをホームページに書き、相違点を隠すということは国民を騙していることにならないか。

13.答弁書の12についてで、「コンバート」を行えば、通貨に対する信認を著しく損なうとある。通貨の信認が失われた場合、日本国内では日本円が全く使えなくなるという意味か。そうなれば、物々交換を除き国内のすべての経済活動が停止すると考えるが、政府はそのような事態が我が国で発生すると考えているのか。

14.答弁書の14についてで、政府の成長戦略において様々な改革を断行しているのは理解できる。ただ、この程度の改革で失われた20年からの脱却はできない。これなら経済が上向くと誰もが考え始めるようなトランプ氏並の大胆な積極財政政策を行わない限り、日本経済の停滞は続くのではないか。

15.積極的な財政政策により、国の借金のGDP比は下がるということは内閣府が平成22年8月に発表した乗数により示されている。類似した見解は2003年5月31日の日本金融学会60周年記念大会でのバーナンキ前FRB議長の講演の中でも述べられているし、二階俊博氏の二階ペーパーにも同様な記述があるが、このことに同意するか。

 

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平成28年12月9日受領

答弁第179号

  内閣衆質192第179号

    平成28年12月9日

                     内閣総理大臣  安倍晋三

   衆議院議長 大島理森殿

衆議院議員福田昭夫君提出トランプ氏の超積極財政に市場が好意的だったこと事に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員福田昭夫君提出トランプ氏の超積極財政に市場が好意的だったこと事に関する質問に対する答弁書

1について

 ご質問の「財政非常事態宣言」とは、昭和57年9月16日における鈴木内閣総理大臣(当時)の記者会見を、ご指摘の「財政危機宣言」とは、平成7年11月14日における竹村大蔵大臣(当時)の記者会見を指すものと考えるが、これらの記者会見においては、極めて厳しい我が国の財政状況について国民に対し適切にお答えしたものと認識している。

2から4まで及び14について

 お尋ねについては、米国の次期政権における積極的な財政政策を前提とする仮定のご質問であることからお答えすることは差し控えたい。政府としては、引き続き、デフレ脱却・経済再生を図りつつ、適切な財政運営を行っていくべく、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(平成27年6月30日閣議決定)に盛り込まれた「経済・財政再生計画」(以下「経済・財政再生計画」という。)に沿って、「デフレ脱却・経済再生」、「歳出改革」、「歳入改革」を3本柱として、「経済・財政一体改革」に取り組んでまいりたい。

5及び6について

 政府は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を柱とする経済財政政策を一体的に推進してきたところであり、引き続き、金融政策だけではなく、あらゆる政策を総動員していくこととしている。

 また、政府としては、経済と財政双方の一体的な再生を目指しており、我が国の極めて厳しい財政状況を放置すれば、財政の持続可能性に対する疑念の高まりが経済成長自体を阻害するおそれがあるという認識の下に、適切な財政運営を行っていくことが重要であると考えている。

7について

 お尋ねについては、仮定のご質問であることからお答えすることは差し控えたいが、一般論として申し上げれば、公債は、その保有者にかかわらず政府の債務であることに代わりはない。

 我が国の経済財政運営に当たっては、国・地方の債務残高がGDPの2倍程度に膨らみ、なお更なる累増が見込まれるなど、極めて厳しい財政状況にあることを踏まえ、経済と財政双方の一体的な再生を目指す必要があると考えている。

8について

 先の答弁書(平成28年11月18日内閣衆質192号、以下「先の答弁書」という。)3及び8についてでお答えしたとおり、財政法(昭和22年法律第34号)第5条本文においては、「すべて、公債発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、また、借入金の借り入れについては、日本銀行からこれを借り入れてはならない」とされている。

 現在、日本銀行が行っている国債買い入れは、2%の物価安定の目標の実現という金融政策を目的とし、同行が自らの判断で、市場で流通しているものを対象に実施しているものであり、ご指摘の「この家庭は離れで(つまり日銀が)お札を印刷することが許されていて、そのお金で借金を返している」という例えを使用することは不適切である。

9及び10について

 国債金利は、様々な要因を背景に市場において決まるものであり、その動向について言及することは市場に無用の混乱を生じさせかねないことから、御指摘の金利水準の動向を前提としてお尋ねにお答えすることは差し控えたい。

 また、我が国の財政状況は、国・地方の債務残高がGDPの2倍程度に膨らみ、なおも更なる累増が見込まれるなど、極めて厳しい状況にあり、政府としては、経済・財政再生計画に沿って引き続き財政健全化の取り組みを着実に進め、国債に対する信認を確保してまいりたい。

11及び12について

 お尋ねの「国の財政を家計に例える場合、例えば銀行が家計Aに対し0%でお金を貸すと判断し、その銀行が別の家計Bに10%の金利でなければ貸さないと判断した場合、Aの家計は厳しくないが、Bの家計は厳しいといえるのではないか。その意味で現在の日本は世界で最も財政が厳しくない国の一つと言えるのではないか。」については、国債金利は、様々な要因を背景に市場において決まるものであるため、一概にお答えすることは困難である。

 我が国の財政状況は、国・地方の債務残高がGDPの2倍程度に膨らみ、なおも累増が見込まれるなど、極めて厳しい状況にあり、政府としては、経済・財政再生計画に沿って引き続き財政健全化の取り組みを着実に進め、国債に対する信認を確保してまいりたい。

 また、ご指摘のホームページについては、こうした我が国の財政状況について国民の理解を深めることを目的として、我が国の財政を家計に例えた資料を掲載しているものであり、「共通点だけをホームページに書き、相違点を隠すということは国民を騙している」とのご指摘は当たらない。

13について

 先の答弁書12についてでお答えした「通貨に対する信認を著しく損なう」とは、我が国の通貨に対する内外からの信認の低下を通じて激しいインフレが生じるような状況を述べたものであり、ご指摘の「日本国内では日本円が全く使えなくなる」及び「物々交換を除き国内すべての経済活動が停止する」という状況になるとは考えていない。

15について

 ご指摘の「積極的な財政政策」の意味するところがかならずしも明かではないが、我が国の財政については、極めて厳しい状況にあり、デフレ脱却・経済再生を図りつつ、その持続可能性を確保することが重要である。

 政府としては、平成32年度の財政健全化目標の達成に向けて、引き続き、「経済再生なくして財政健全化なし」との基本方針の下、経済・財政再生計画に沿って、「デフレ脱却・経済再生」、「歳出改革」、「歳入改革」を三本柱として、「経済・財政一体改革」に取り組んでまいりたい。

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コメント 

1について

1982年も1995年も、日本の財政は極めて厳しかったのだそう。つまり34年間ずっと財政は極めて厳しかったのだと主張している。

国の債務のGDP比が1982年は62%、1995年は95%であった。ということは、国の債務のGDP比が62%以上なら、財政は極めて厳しいということになる。諸外国の債務のGDP比を見ると

アメリカ 105%

イタリア 138%

ベルギー 106%

スペイン  99%

フランス  96%

カナダ   91%

イギリス  88%

ドイツ   70%

オランダ  65%

というわけで、先進国は軒並み62%以上なので、財政が極めて厳しいことになる。しかし、財政が極めて厳しいなどと言って緊縮財政を続け、その結果デフレ経済が続いている国は日本だけだ。どんなに頑張っても62%以下になる可能性は無く、頑張る意味がない。62%から200%以上に増えても、国債暴落とかハイパーインフレとか通貨の信認の喪失とかという惨事は起きなかった。財政は厳しいと言ったのはウソだったに違いない。

2から4まで及び14について

トランプの積極財政が市場に好意的に受け止められたということは、「財政が厳しいから積極財政政策を行われれば大変なことになる」ということがウソであることを明確に証明することなので、答えようがなかったということだ。

5及び6について

アベノミクスの教祖が、間違えていたと言ってしまったのでは、反論しようもないですね。

7について

これはアベノミクスの教祖である浜田先生の意見であり、仮定の質問ではない。日銀が保有者の場合、利子は日銀納付金として政府に返してもらうことになっている。さらに借換債を発行しいくらでも繰り延べが可能である。その意味で政府の債務というのは適当ではない。実際家計の債務において、そのようなことはあり得ない。

8について

「この家庭は離れで(つまり日銀が)お札を印刷することが許されていて、そのお金で借金を返している」という例えを使用することは不適切だと主張するのだが、なぜ不適切なのかの説明が一切ない。だったら、適切に例えてみよ。例えられないなら、家計を国の財政に例えるのを止めよ。

9及び10について

国債金利に言及したら、市場に混乱を与える??何を言っているのだろう。日銀がホームページで長期金利の記述を変えたことを聞いているのであり、それが前回の答弁書の記述と矛盾していることを追及しているだけだ。なぜ逃げるのか。

11及び12について

何を馬鹿な事を言っているのだろう。家計Aと家計Bが銀行から借り入れをするときの金利について話しているだけで、ここでは市場に決まる金利とは全く関係ない。中学生でも分かるくらいの易しい質問だ。

13について

日銀保有の国債を無利子無期限の国債に替えてやったらどうかという質問に対し「通貨の信認が失われる」と答弁した。そうなると、日本円が国内で使えなくなり、あらゆる経済活動がストップするということかと質問したら、そうではない。ハイパーインフレになるということだと答えた。しかし内閣衆質190第39号において「 ハイパーインフレ-ションは、戦争等を背景とした極端な物不足や、財政運営及び通貨に対する信認が完全に失われるなど、極めて特殊な状況下において発生するものであり、現在の我が国の経済・財政の状況において発生するとは考えていない。」と答えているので明らかに矛盾している。

15について

質問には答えられないという答弁である。

答弁の中で「我が国の財政状況は、国・地方の債務残高がGDPの2倍程度に膨らみ、なおも累増が見込まれるなど、極めて厳しい状況にあり」という文章が3回出てくる。しかし「1について」で、債務のGDP比は62%でも財政は極めて厳しいのだと言っている。結局日本はどんなに増税をやろうと、どんなに歳出削減をやろうと決して財政が極めて厳しい状況から抜け出すことはあり得ないということを言いたいのだろう。だったら何のための増税・歳出削減か。

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2016年11月27日 (日)

トランプ氏の積極財政への期待でダウ平均株価は史上最高値を更新(No.226)

最近のテレビは物価が上がっても賃金が下がれば年金が減るという法案の話を何回もしている。政府も物価が上がり賃金が下がることを予測して、その時のための対策を練っているのだろう。これにより政府が自ら国民にデフレマインドを助長している。こんなことをしていると、ますます国民は将来不安を持ち、今のうち倹約しておかねばと思うようになる。物価が上がっても賃金が下がった場合の対策にこんなに力を入れている馬鹿な国は日本だけだろう。


米国はトランプ次期大統領が積極財政政策を発表しただけでダウ平均株価は史上最高値を更新した。日本だって同様に思い切った財政拡大策を出せば良い。そうすれば、日経平均も史上最高値の38915円を超えることができるに違いない。積極財政政策で金利も物価も上がる。実は米国にとってはこれは微妙な問題だ。金利が上がればドル高になるし、そうなれば製造業は競争力を失う。トランプは製造業を米国に取り戻すと約束して大統領になったのだから、日本や中国との貿易摩擦へと発展しそうだ。

一方、日本が積極財政政策を行う場合、金利が上がろうとすると、日銀が大量の国債購入で阻止するから金利は上がらない。物価は上がるが、それは諦めかけていたインフレ目標が達成されるということでこんなに嬉しいことはない。失われた20年に終止符を打つことができる。それだけではない。名目GDPの増加は国の借金のGDP比を下げ、実質的に国の借金を軽くする。そのことは、内閣府のシミュレーションで示されている。日本の景気が回復すれば、需要が拡大し米国からの輸入も増え日米貿易摩擦は解消の方向に進む。

財政に頼らず金融だけで経済を回復させようとして失敗した政府だが、その理論的な支柱であった浜田宏一氏は、その考えが間違いだったということを11月15日に日経新聞で明かにした。それはジャクソンホール会合の基調講演でノーベル経済学賞を受賞したクリストファー・シムズ氏(プリンストン大教授)が「金融政策が効果を発揮するには財政政策の裏付けが必要」と主張したことで浜田氏は自分の誤りに気付いたという。やっと我々の主張が理解されたということであり、今こそ政府は積極財政へ政策の大転換を行う時だろう。

「政府は国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っているのではないか。」と質問主意書で聞いてみた(正確には福田昭夫議員に聞いてもらった)。少しはまともな答弁が得られるかと期待したのだが、政府はひたすら「財政が厳しい。国債を増発すれば国債の信認が落ちるから緊縮財政を行う」という。

しかし国債の信認が高まれば高まるほど、金利は下がる。現在のマイナス金利が更に下がると、金融機関に更に深刻な悪影響を及ぼし、それが企業への融資の妨げになる。トランプ氏の政策のように積極財政であれば、国債の信認が落ちて金利が上昇しGDPを押し上げる。世界各国のマイナス金利を押し上げ、マイナス金利を解消し「正常化」に成功している。

 質問主意書の答弁書では成長戦略で改革をやっているんだと主張している。この程度の改革で失われた20年からの脱却ができると思っているのだろうか。トランプ氏は「改革案」を出しただけで、市場に好意的に受け止められ、米国の株は史上最高値を更新し続けている。

1982年の鈴木善幸内閣ですでに財政非常事態宣言が出ている。34年も前の国の借金がほとんど無かった頃から日本政府は財政が厳しいと言い始めた。トランプ氏は国の借金など全然気にしていないことに日本政府も注目すべきだ。

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政府は国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っているのではないかという疑問に関する質問主意書とその答弁書(No.225)

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平成28年11月9日提出
質問第126号

政府は国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っているのではないかという疑問に関する質問主意書
                             提出者 福田昭夫
2%のインフレ目標、実質2%名目3%のGDP成長率目標のいずれも達成に失敗したアベノミクスだが、それは政府が国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っているのが原因ではないかという疑問が生じている。経済再生も財政健全化も国民の将来不安の解消が無ければ実現は不可能である。特に国の借金1000兆円が国民の将来不安を引き起こし、国民は節約に走り、それが経済再生を不可能にしているのではないか、そして結果として財政健全化ができなくしているのではないかという疑問が生じていることに関し質問する。

1 国の借金は家計の借金と同じと考えるか。

2 財務省のホームページには日本の財政を家計に例えた場合について説明がある。それによると月収30万円の家計でローン残高は5143万円なのだそうである。このような家計では、新たな借金をしようとしてもとても貸し手が現れないような印象を受ける。しかし、現実はそれでも政府は0%あるいはそれ以下で新たな借金ができる。ということは国の借金と家計の借金とは全く意味が違うと言えないか。

3 日銀はお金を刷って国債(国の借金)を買い取っている。これを家計に例えるとこの家庭ではお金を刷って使っても良いと認められていることになると思うが同意するか。

4 月収30万円の家計でローン残高が5143万円であれば、確実に自己破綻する。つまり借金踏み倒しである。国の借金もそれが起きると考えているのか。

5 一方で「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」と財務省のホームページに書いてある。これを家計に例えると、日本の家計でどんなに借金が多くなっても破産することはないということになる。このことから国の財政を家計に例えるのは無理があると言えるのではないか。

6 終戦直後には、国の借金は膨大であった。それを税金で返したのでなくインフレのお陰で実質的に激減した。実際、大多数の国々ではインフレのお陰で国の借金を実質的に減らしている。このことを家計に例えるとどのような借金の返済の方法に対応するのか。

7 国の借金を実質的に減らす方法は2つあるというのが伊藤元重氏が今年6月27日に読売新聞に載せた説である。第一の方法は例えば毎年借金を10兆円ずつ減らす方法で1000兆円の借金を半分にするのに50年かかるだけでなく、大恐慌を引き起こす。第二の方法は経済を発展させ毎年3%の成長をすればGDPは20年で約2.4倍になり、借金のGDP比は2.4分の1となる。伊藤氏は第一の方法は非現実的だが、第二の方法は現実的だと主張している。国の財政を家計に例えている限り、借金返済の方法は非現実的な第一の方法しかあり得ず、多くの国で採用されている第二の方法が見えなくしてしまうと思わないか。

8 国の財政を家計に正しく例えるならば次のようになる。借金は多いが、この家庭では離れでお札を印刷することが許されていて、大量に印刷し年間借金の10分の1程度を返済している。かなり返済が進んでいるが、貸し手である銀行はそのような返済を続けることを必ずしも望んでおらず、このペースでの返済はあと1~2年で困難になると考えられている。その理由としては銀行がこの家庭に貸出をし、それに対する利息が貴重な収入源となっており、それが無くなると銀行の経営が成り立たなくなる恐れがあるからである。またこの家庭から銀行に返済したお金の多くは、この家庭に預ける仕組みになっている。この家庭は銀行がこの家庭にそんなに多額のお金を預けて欲しくないと考えており、なんとこの家庭は銀行に対し、この家庭に預けたお金の一部にマイナス0.1%の金利を支払えと命令し銀行は強制的に受け入れさせられたのである。国の財政を家計に例えるなら、このように説明しなければ誤解を受けると思うが同意するか。

9 このような疑問に関する政府の正式な回答を財務省のホームページに書くべきではないか。

10 政府が国の借金を家計に歪曲した形で例えることで、国民に将来不安を生じさせ、節約に走らせる。それが消費を冷え込ませ経済再生を遅らせ、結果としてそれが財政健全化の妨げになっていると考えるが同意するか。

11 日銀の政策変更で今後国債の暴落は起こりえなくなったのではないかという疑問に関する質問主意書(質問第18号、以下質問1という)と政府が日銀の金融政策の有効性を疑っている事に関する質問主意書(質問第76号、以下質問2という)の質問の主旨は、国債の暴落という国民の将来不安を解消し経済再生と財政健全化を追求しようとするものであった。しかし両質問に対する答弁書はこの主旨を否定し経済再生と財政健全化を阻害しようとした。政府は国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っているのではないか。

12 質問1の7で、日銀の保有する国債を無利子・無期限の国債にコンバートすればどうかと提案した。無利子・無期限の国債でなくても政府貨幣(例えば500円玉とか1兆円玉等)にコンバートする案も考えられる。多くの識者からこのような提案がなされるのは、1000兆円という国の借金に対する不安で消費が抑えられ日本経済の再生が不可能になっている窮状を救い、日本人に自信を取り戻させ、経済を活性化させ、財政の健全化を目指すものである。しかし、答弁書ではこの提案を否定した。これは政府が国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っている現れではないか。

13 コンバートは通貨の信認を失わせると質問1の答弁書(以下答弁書1という)と質問2の答弁書(以下答弁書2という)では答えている。「通貨の信認が失われる」という事実を家計に例えようとしても無理である。そもそも家計の場合インフレに相当するものが無く、例えるのが不可能である。国の借金と家計の借金が似ても似つかぬものであるのに、無理に比較しようという試みは単に国民の持つ将来不安を増大させるだけであり、結果として経済再生と財政健全化を遅らせるだけではないか。

14 答弁書2の4についてで、成長戦略において、様々な分野で改革を断行してきたとある。確かに改革は必要であり生産性を高める努力はすべきである。ただし、国民の将来不安の解消を行わないままだと逆に不安の増大につながる可能性がある。貿易の自由化や生産性向上は、一部の労働者を切って捨てるということになりかねない。財政が厳しいという理由で「痛みに耐えよ」と言って弱者切り捨てを行えば、国民の将来不安は増大するだけだと思うが同意するか。

15 答弁書2の11及び13についてで、雇用は確実に改善しているとある。しかし改善したのは非正規だけである。いつでも解雇できる非正規の人しか採用しないのは、企業が将来不安を持っているからだと考えるが同意するか。

16 世界中で長期間デフレを続け名目GDPが上がらない国は日本だけである。その理由は政府が国の借金が多いと言って将来不安を煽っている事が原因で国民は消費を抑え、企業は国内投資を抑えているからだと考えるが同意するか。

17 国の借金が日本以上の速度で増加している国は世界中に数多く存在する。しかし、それらの国々の名目GDPの増加速度は借金の増加速度に匹敵するものであり、その結果借金のGDP比は日本よりはるかに低いものとなっている。このことが意味するのは、日本の問題は国の借金が増えることではなく、名目GDPが増えないことである。そしてそれは財政が厳しいなどと言って国民に将来不安を煽り、緊縮財政を行ったことが原因していると考えるが同意するか。

18 答弁2の一、五及び八についてで「国債の価格や長期金利は、金融政策のみならず、経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まるものであるとした上で、日本銀行は、二パーセントの『物価安定の目標』の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利の操作を内容とする『長短金利操作付き量的・質的金融緩和』(平成28年9月21日日本銀行政策委員会・金融政策決定会合決定)を継続するとしている旨を述べたものである」とある。これは、インフレ率が2%になるまでは「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」による長短金利の操作が有効、すなわち、長短国債の価格操作が有効であるものの、インフレ率が2%を超えれば途端に無効となり、「国債の価格や長期金利は、金融政策のみならず、経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まる」ため、いずれ国債が暴落することになる、つまり、いずれこのような操作は必ず破綻を迎えることになるという趣旨か。もしくは、このような操作によってインフレ率が安定的に2%を超えてゆくことになれば、公的債務GDP比が低下し、政府財政が健全化するので問題にならないという趣旨か。
右質問する。

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平成28年11月18日受領
答弁第126号
    内閣衆質192第126号
      平成28年11月18日
                     内閣総理大臣臨時代理
                       国務大臣 麻生太郎
     衆議院議長 大島理森 殿
衆議院議員福田昭夫君提出政府は国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っているのではないかという疑問に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員福田昭夫君提出政府は国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っているのではないかという疑問に関する質問に対する答弁書

1,2,4から6まで、9、10及び13について
 御指摘の「月収30万円の家計でローン残高が5143万円」という例えは、平成26年度当初予算において我が国の税収及び税外収入の合計額が54.6兆円程度である一方、当時の国の長期債務残高が780兆円程度であることを分かりやすく示したものである。
 国の財政と家計に関して、それぞれの債務はいずれも期日までに返済する必要があるという共通点を踏まえ、我が国の財政状況について国民の理解を深めることを目的として、財務省のホームページにおいて我が国の財政を家計に例えた資料を掲載しているところであり、「国民の持つ将来不安を増大させる」とのご指摘は当たらない。
 また、このような趣旨に鑑み、政府として、御指摘の「インフレのお陰で国の借金を実質的に減らしている」ことを家計に例えて示すことは考えていない。
 我が国の財政状況は、極めて厳しい状況にあるが、政府としては、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(平成27年6月30日閣議決定)に盛り込まれた「経済・財政再生計画」(以下「経済・財政再生計画」という。)に沿って引き続き財政健全化の取組を着実に進め、国債に対する信認を確保していくとともに、今後とも、財政について、国民に理解を深めていただくよう取り組んでまいりたい。

3及び8について
 ご指摘の「日銀はお金を刷って国債(国の借金)を買い取っている」及び「この家庭では離れでお札を印刷することが許されていて」の意味するところが必ずしも明かではないが、財政法(昭和22年法律34号)第5条本文においては、「すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借り入れについては、日本銀行からこれを借り入れてはならない」とされており、これに抵触する日本銀行による公債の引受け等については禁じられている。したがって、ご指摘のような例えを使用することは不適切である。

7について
 御指摘の「国の財政を家計に例えている限り、借金返済の方法は非現実的な第一の方法しかあり得ず」の意味するところが必ずしも明かではないが、我が国の財政は、極めて厳しい状況にあり、政府としては、経済・財政再生計画に基づき、平成32年度の財政健全化目標の達成に向けて、経済と財政双方の再生を目指す経済・財政一体改革に取り組むこととしている。

11について
 先の答弁書(平成28年10月7日内閣衆質192第18号。以下「18号答弁書」という。)1及び10について及び先の答弁書(平成28年10月28日内閣衆質192第76号。以下「76号答弁書」という。)1、5及び8についてでお答えしたとおり、国債の価格や長期金利は、金融政策のみならず、経済・財政の状況等の様々な要因を背景に市場において決まるのであると考えている。黒田東彦日本銀行総裁も、長期金利について、平成28年9月21日の記者会見において、「短期金利と同じように完全にコントロールできるかという議論であれば、それは短期金利と全く同じようにできるとは言っていません」と発言している。その上で、平成25年1月22日に政府及び日本銀行が共同で公表した「内閣府、財務省、日本銀行「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について(共同声明)」にもあるように、「持続的な財政構造を確立するための取組を着実に推進する」ことを含め、デフレからの早期脱却と物価安定の下での持続的な経済成長の実現に向け、政府及び同行の政策連携を強化し、一体となって取り組んでいくこととしており、「政府は国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っている」とのご指摘は当たらない。

12について
 76号答弁書6についてでお答えしたとおり、18号答弁書7についてでは、一般に、利子が付されておらず、かつ、元本の償還が約束されていない債券には経済的価値が認められないことを踏まえ、先の質問主意書(平成28年9月27日提出18号)7においてご指摘の「コンバート」を行えば、財政運営及び通貨に対する信認を著しく損なうおそれがある旨を述べたものであり、「政府が国民の持つ将来不安の解消のための努力を怠っている現れではないか」との御指摘は当たらない。

14について
 成長戦略において、国民生活を豊かにし、企業の生産性を向上させるため、必要な改革をちゅうちょなく断行してきた。
 例えば、農業協同組合法等の一部を改正する等の法律(平成27年法律第63号)により、農業協同組合制度を抜本的に改革し、企業が農業に参入しやすくした。環太平洋パートナーシップ協定では、原署名国になった。観光では、査証緩和措置に加え、継続的な訪日プロモーション、免税店や免税対象品目の拡大等観光客誘致のための取組等を実施しており、平成27年、訪日外国人観光客は、過去最高となった。加えて、電力の小売市場を全面自由化した。さらに、法人実行税率を20%台に引き下げた。
 こうした構造改革は、意欲ある者の創意工夫を促し、個人一人一人がその潜在力を開花する「生産性革命」につながり、日本経済の成長に貢献するものである。
 さらに、経済成長の果実を生かして、安心できる社会基盤を築き、成長と分配の好循環を強固なものとするものとしており、御指摘の「弱者切り捨て」を行うものではない。

15について
 企業がどのような雇用形態の者をどの程度採用するかは、個別の事情によって様々であることから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。なお、正規雇用労働者数は、平成27年に8年ぶりに対前年比で増加に転じていることから、「改善したのは非正規だけである。いつでも解雇できる非正規の人しか採用しない」とのご指摘は当たらない。

16及び17について
 我が国においては、安倍内閣の経済財政政策によって、名目GDPは増加している。
 また、我が国の財政状況については、国・地方の債務残高がGDPの2倍程度に膨らんでいることは事実であり、「国の借金が多いと言って将来不安を煽っている」及び「将来不安を煽り、緊縮財政を行った」との御指摘は当たらない。一般論としては、経済再生を実現しGDPを拡大することと債務残高を抑制することが債務残高対GDP比の安定的な引き下げにつながることになる。したがって、経済再生と財政健全化の両立に向けて、引き続き、基礎的財政収支の黒字化を目指し、その改善に取り組んでまいりたい。

18について
 76号答弁書1、5及び8についてでは、日本銀行は、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のために、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、長短金利の操作を内容とする「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」(平成28年9月21日日本銀行政策委員会・金融政策決定会合決定)を継続する旨を述べたものであり、お尋ねのような、インフレ率が2%を超えれば途端に金融政策が無効となり、国債が暴落することになることやインフレ率が安定的に2%を超えていくことにより財政が健全化する旨を述べたものではない。なお、政府としては、今後とも、財政健全化の取り組みを着実に進め、国債に対する信認の確保に努めてまいりたい。

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コメント
最近のテレビは物価が上がっても賃金が下がれば年金が減るという法案の話を何回もしている。政府も物価が上がり賃金が下がることを予測して、その時のための対策を練っているのだろう。これこそがデフレマインドであり、政府が自ら国民にデフレマインドを助長している。こんなことをしていると、ますます国民は将来不安を持ち、今のうち倹約しておかねばと思うようになる。物価が上がっても賃金が下がった場合の対策にこんなに力を入れている国は日本だけだろう。

財政に頼らず金融だけで経済を回復させようとしている政府だが、その理論的な支柱であった浜田宏一氏は、その考えが間違いだったということを11月15日に日経新聞で明かにした。それはジャクソンホール会合の基調講演でノーベル経済学賞を受賞したクリストファー・シムズ氏(プリンストン大教授)が「金融政策が効果を発揮するには財政政策の裏付けが必要」と主張したことで浜田氏は自分の誤りに気付いたという。やっと我々の主張が理解されたということであり、今こそ政府は政策の大転換を行う時だろう。

1,2,4から6まで、9,10及び13について
家計と国の財政はこれだけ違うということを具体的に質問主意書で指摘した。そのように指摘されるのが余程いやだったのだろう。いや、反論できなかったのだろう。なんと1,2,4,5,6,9,10、13の8つの異なる質問に対して、たった1つの答弁しかしなかった。
 要するに「期日までに返さなければいけないところだけは共通でしょ」と言いたいようだ。

3及び8について
 この答弁は明かに間違えている。質問主意書では「この家庭では離れで(つまり日銀が)お札を印刷することが許されていて、そのお金で借金を返している。」と例えた。答弁書では日銀による国債引受は財政法で禁止されていると主張したが、日銀が市場から国債を買うことはもちろん許されているわけであり、この答弁は間違いである。

7について
 この件に関しては伊藤元重氏の議論をもう一度読んで下さいと言うだけでしょう。

11について
 答弁書では長期金利は市場で決まるんだという主張をまだ続けている。一方で日銀は11月7日、ホームページ上で公表していた金融政策と長期金利の関係に対する見解を修正した。
 これまでは長期金利について日銀の金融市場調節で誘導することは「容易ではない」としていたが、マイナス金利と大規模な国債買い入れの組み合わせが「長短金利全体に影響を与えるうえで有効」と証明されたとし、9月に長期金利(10年国債金利)を誘導対象に含めた「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を導入したと説明している。
 ちなみにFRBは、国際利回りが上昇することを抑制するために、1942年から1951年まで米国債を買い支えた。これによって米国の長期金利は概ね2.5%以下に抑制された。つまり国債暴落の阻止ができないわけがない。

12について
 無利子無期限の国債が無価値だと言うのなら、500円玉のような政府貨幣はどうかと質問した。それも無価値だという答弁なのか。ええ!?

14について
  成長戦略で改革をやっているんだと主張している。この程度の改革で失われた20年からの脱却ができると思っているのだろうか。トランプ氏は「改革案」を出しただけで、市場に好意的に受け止められ、米国の株は史上最高値を更新し続けている。日本だって同様に思い切った財政拡大策を出せば良い。そうすれば、日経平均も史上最高値の38915円を超えることができるに違いない。

15について
 正規雇用労働者数は、平成27年度に8年ぶりに増加しているが、7年間下がり続けたのであり、平成19年には3449万人だったのに対し、平成27年はまだ3304万人であるから、以前の水準には遠く及ばない。また比率で見ると平成27年度は正規の割合は前年比でも減少している。

16及び17について
 政府は緊縮財政でGDPを拡大していくと主張している。そんなことができるなら失われた20年はなかった。緊縮財政ならGDPは増えない。逆に積極財政ならGDPも増えるし、国の借金のGDP比も減っていき財政は健全化する。

18について
 国債の信認を高めていきたいとのことですが、国債の信認が高まれば高まるほど、金利は下がる。現在のマイナス金利が更に下がると、金融機関に更に深刻な悪影響を及ぼし、それが企業への融資の妨げになる。トランプ氏の政策のように積極財政であれば、国債の信認が落ちて金利が上昇しGDPを押し上げる。

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