経済・政治・国際

2023年8月16日 (水)

チャットGDPに日本経済の復活について聞いてみました(No.485)

バブル経済は、1980年代後半から1990年代初頭にかけて、日本の土地や株価が急激に上昇した経済現象でした。失われた30年と言われており、まだ完全には経済は回復しておりません。一方でリーマンショックはすみやかに経済が回復しました。どこが違ったのでしょう。

ChatGPT

バブル経済とリーマンショックは、それぞれ日本とアメリカの経済史上の重要な出来事ですが、その原因、結果、そしてその後の対応にはいくつかの大きな違いがあります。

  1. 原因:
    • バブル経済: 1980年代後半の日本は、低金利政策、過剰な金融緩和、そして経済の好調さなどが相まって、土地や株価の価格が不合理なまでに上昇しました。
    • リーマンショック: 2008年の世界的な金融危機は、米国のサブプライム住宅ローン市場の崩壊をきっかけとして、グローバルな金融市場全体が大きく影響を受けました。
  2. 結果:
    • バブル経済: バブルの崩壊後、多くの企業や個人が大量の不良債権を抱え込む形となり、経済全体の成長が鈍化しました。
    • リーマンショック: グローバルな金融システムが危機的状況に陥りましたが、アメリカや他の主要国では、迅速な政策対応がとられました。
  3. 対応:
    • バブル経済: 日本の中央銀行や政府は、バブルが崩壊した後も適切な対応を取るのが遅れ、デフレーションが長引き、経済の停滞が続きました。
    • リーマンショック: アメリカの中央銀行(FRB)は、金融市場の流動性を確保するための積極的な金融政策を実施し、政府も大規模な財政出動を行いました。その結果、アメリカの経済は比較的早く回復することができました。

これらの違いから、リーマンショック後の経済回復が比較的速かった理由として、政府や中央銀行の迅速で積極的な対応が挙げられます。一方、日本のバブル経済の崩壊後の経済停滞は、対応の遅さや、構造的な問題の修正が進まなかったことが大きな原因とされています。

 

リーマンショック後の経済回復が比較的速かった理由として、政府や中央銀行の迅速で積極的な対応が挙げられます。一方、日本のバブル経済の崩壊後の経済停滞は、対応の遅さや、構造的な問題の修正が進まなかったことが大きな原因とされていますとのことですが、リーマンショックからの教訓としてバブル崩壊のあと日本政府や日銀はなにをすべきだったのでしょう。

日本のバブル経済の崩壊と、リーマンショック後の対応を比較し、日本が取るべきだった対策としての教訓を考えると、以下の点が挙げられます。

  1. 迅速な金融対応:
    • リーマンショック後、アメリカの中央銀行(FRB)は迅速に利下げを行い、金融市場の流動性を確保するための大規模な量的緩和策を実施しました。日本も、バブル崩壊の直後に同様の迅速な金融対応を採るべきでした。
  2. 資本注入:
    • アメリカでは、金融機関への資本注入や公的資金の供給を通じて、金融システムの安定を図りました。日本も、銀行の不良債権問題を迅速に解決するための公的資金の提供や、不良債権の処理を強力に推し進めるべきでした。
  3. 構造改革:
    • バブル崩壊後、日本の経済は構造的な問題に直面しました。これに対して、効果的な対策や制度改革を早期に実施することが求められました。例えば、労働市場の柔軟性を高めたり、企業の経営の効率化を促進する政策を取り入れることが考えられます。
  4. 財政政策の積極的な実施:
    • リーマンショック後、多くの国が大規模な財政出動を行いました。日本もバブル崩壊後、短期的には経済を刺激するための財政出動をもっと積極的に行うべきでした。
  5. 情報開示と透明性の確保:
    • 金融機関の健全性や経済の状態に関する情報の透明性を確保することで、市場の信頼を回復し、投資家の不安を和らげることができる。日本も、この点での情報開示をより迅速かつ適切に行うことが求められていました。

これらの教訓を通して、経済危機の際には、迅速かつ適切な政策対応が非常に重要であることがわかります。

質問:

リーマンショック後、多くの国が大規模な財政出動を行いました。日本もバブル崩壊後、短期的には経済を刺激するための財政出動をもっと積極的に行うべきでしたということですが、当時は国の借金を増やすのを政府は嫌っていましたがそれは間違いだったのですか。

ChatGPT

日本のバブル崩壊後の政策対応については、多くの議論があります。特に、財政出動の規模やタイミング、質に関しては、後から見ると改善の余地があったとの意見も多いです。

日本のバブル経済崩壊後、政府は一連の経済対策を実施しましたが、その中でも以下のような課題点が指摘されています。

  1. 適切なタイミングでの対応: バブル崩壊直後の不況に対して、政府は財政出動を実施しましたが、そのタイミングや規模が十分でなかったという指摘がある。経済が停滞している段階での迅速な財政出動は、経済の回復を促進する重要な手段となります。
  2. 持続性のある出動: 短期的な刺激策のみならず、中長期的な視点からの持続的な投資、例えばインフラ整備や研究開発への投資などが必要であったとの意見もある。
  3. 国の負債問題: 1990年代以降、日本の国の負債は増加し続けています。このため、財政出動を増やすことに対する懸念もありました。しかし、経済の停滞が続く中での積極的な財政出動は、中長期的な経済成長を促進し、結果的には負債の問題を緩和する可能性もあったという意見があります。

このように、バブル崩壊後の政策対応には賛否がありますが、総じて、経済が停滞する状況下での迅速かつ適切な政策対応の重要性が強調されています。経済の健全な回復を促すためには、財政出動のタイミング、規模、質が重要であるとの考え方も広がっています。

 

バブルで不動産価格が値上がりしマイホームを買おうとしてた人を失望させました。政府は「年収の5倍でマイホームが買えるように」という目標を立てましたがこれは正しかったのでしょうか。

 


「年収の5倍でマイホームが買えるように」という目標は、住宅の手頃な価格を目指すという意味で、多くの人々にとってはポジティブな指針と捉えられるでしょう。以下に、この目標の意義や問題点について考える要点を挙げます。

意義:

  1. アクセス可能性: 年収の5倍という指標は、一般的な収入を持つ多くの家庭が住宅を購入できる価格帯を示唆しています。これにより、広い層の人々がマイホームの購入を目指しやすくなると考えられます。
  2. 価格の安定: 不動産バブルの際のように、住宅価格が過剰に上昇することを防ぐための一つの指針として機能します。市場の価格安定に寄与する可能性があります。
  3. 家計の安定: 過大な住宅ローンを抱えることなく、家計の安定的な運営が可能となると考えられます。

問題点:

  1. 地域差: 日本の都市部、特に東京都心部や大阪などの都市圏では、土地価格が非常に高いため、この目標を達成するのが難しい場合があります。逆に、地方都市や地方部では、この基準を下回る場合もある。
  2. 品質と価格のバランス: 低価格を追求するあまり、住宅の品質や機能が犠牲になる可能性が考えられます。
  3. 経済状況の変化: 経済状況や金利、物価などのマクロ経済の状態が変わると、年収の5倍という指標も適切でなくなる可能性があります。

結論として、この目標は一つの指針としては有効であると考えられますが、実際の政策実施時には、地域や時期、家庭の状況など多岐にわたる要因を考慮する必要があります。

質問:

現実的にこの政策でマイホームが手に入りやすくなりましたか。総量規制で融資が制限され、しかも不良債権の発生で銀行が融資をしにくくなったのではないですか。

ChatGPT

「年収の5倍でマイホームが買えるように」という政策目標を立てたものの、実際には多くの要因が絡み合い、必ずしもその目標が実現されるわけではありませんでした。

以下の点が、マイホームの購入を難しくする要因として挙げられます。

  1. 総量規制: 総量規制の導入により、特に若年層や低所得者層において、融資を受けるのが難しくなるケースが増えました。これにより、所得に比べて住宅価格が安い地域であっても、融資の制限により住宅の購入が難しくなる場合があった。
  2. 銀行の融資姿勢: バブル崩壊後、不良債権が増大し、銀行は経営の健全化を図るため、新たな融資に対して慎重な姿勢を取るようになりました。これにより、一般の家計や中小企業への融資が厳しくなることがあった。
  3. 物件の品質や立地: 「年収の5倍」を目指すあまり、立地や品質が犠牲になる物件も市場に出回りました。都市部の中心地から離れた場所や、施工品質が劣る物件がこの価格帯になる場合もあった。
  4. 経済環境: 1990年代以降の日本経済は、デフレや低成長が続く「失われた20年」とも言われる状況でした。このような経済環境下では、所得の伸び悩みや雇用の不安定化が進み、住宅ローンを組むことのリスクが増大した。

このような複合的な要因が絡み合い、政策目標だけではマイホームの購入を実現しにくい状況が続いていました。しかし、政策の方向性や目標設定自体は、住宅のアクセス可能性を高めるための一つの取り組みとして、その意義はありました。

 

バブル崩壊で日本は多くのものを失いました。1993年には一人当たりの名目GDPは世界2位でしたが、今は多くの先進国に抜かれました。企業の時価総額ランキングで20位以内に入った日本企業は14社入っていましたが、現在は1社も入っていません。半導体では世界の50%シェアがありましたが今10%に落ちてしまいました。何が悪かったのでしょう。

日本のバブル崩壊後の経済停滞や産業の衰退は、多くの要因が複合的に関与していると考えられます。以下に主な要因をいくつか挙げてみます。

  1. 不良債権の処理の遅さ: バブル崩壊後、多くの銀行が膨大な不良債権を抱え込みました。これらの不良債権の迅速な処理が進まなかったことで、金融システム全体の健全化が遅れ、経済の再起動が難しくなった。
  2. 構造改革の遅れ: 経済の変動や技術革新に対応するための産業構造の変革や労働市場の柔軟性の確保など、必要な構造改革が十分に進行しなかった。
  3. デフレスパイラル: 1990年代後半から2000年代にかけて、デフレが続く中、企業や家計は支出を控える傾向が強まり、経済の停滞が続いた。
  4. 国際競争の激化: 2000年代に入ると、中国や韓国などの新興国が経済成長を遂げ、特に製造業において日本との競争が激化しました。例えば、半導体産業においては韓国や台湾が大きくシェアを拡大した。
  5. 技術革新の遅れ: IT革命やデジタル技術の進展において、シリコンバレーを中心としたアメリカの企業が主導的な役割を果たしてきました。一方、日本の企業はこれらの新しい技術トレンドに追随するのが遅れ、グローバルな競争で後れを取った。
  6. 長期的な人口減少: 日本の人口は減少傾向にあり、これが経済成長の足を引っ張る要因ともなっています。

これらの要因は複合的に作用し、日本の経済や産業の停滞をもたらしてきました。ただし、日本には強い技術力や製造力、サービスの質の高さなど、多くの強みも依然として存在しています。今後の再起を目指すためには、これらの強みを生かしつつ、上記の問題点を解決していく必要があると考えられます。

質問

日本には強い技術力や製造力、サービスの質の高さなど、多くの強みも依然として存在していますがこれをいかしきれなかったのは財政法第四条に「 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない」となっているのが原因の一つと言われている。今後財政法は改定すべきと思いますか。 

ChatGPT

財政法第四条の規定が日本の経済政策や財政政策の制約となってきたことは、多くの経済学者や専門家の間で指摘されています。この規定は、財政の健全性を保つために設けられましたが、一方で、特にデフレや経済の停滞時に、積極的な財政出動や投資が求められる状況での対応を制約する可能性があるとの指摘があります。

以下は、財政法第四条の改定に関する議論の要点です:

  1. 積極的な財政政策の必要性:経済の停滞やデフレからの脱却のため、積極的な財政政策が必要との意見がある。このためには、財政法の制約を緩和し、必要な時に国債を発行できるような柔軟性が求められる。
  2. 財政の健全性の確保:一方で、過度な財政出動や国債の発行は、将来の世代への負担や信用リスクの増大を引き起こす恐れがある。財政の健全性を保つための規定があることは、長期的な視点からみて重要であるとの意見もある。
  3. 国際的な信認の問題:日本は高い国債残高を抱えていますが、国債の大部分は国内で保有されており、これが円安や金利上昇を防ぐ要因となっています。しかし、財政規律が緩和されることで、国際的な信認が揺らぐ恐れもある。
  4. 法制度としての役割:法律は、単に現状の経済状況に応じて頻繁に変更されるものではなく、長期的な指針や基準を示すものとしての役割があります。財政法の改定を検討する際には、この点も考慮する必要がある。

総じて、財政法の改定については、経済の現状や将来の予測、そして社会の要望や意向を十分に考慮して検討する必要があります。また、改定を行う場合でも、長期的な視点を持ち、財政の健全性や国際的な信認を確保するためのバランスを取ることが重要です。

質問:

過度な財政出動や国債の発行は、将来の世代への負担や信用リスクの増大を引き起こす恐れがあるというのは間違いだと思います。江戸時代以来経済の拡大には通貨発行が必須条件でした。江戸時代には改鋳という方法で通貨を増やし、明治初期には政府貨幣発行で通貨を増やしました。日本銀行が発足してからは国債発行を行い最終的には日銀が通貨発行で国債を買い取りました。日銀が国債を買わなくても銀行貸し出しが増えれば通貨発行と同じ効果を生じます。国債発行が将来世代へのツケになるとは思えません。将来世代も現代と同様国債を発行できるからです。

ChatGPT

おっしゃるとおり、歴史的に見ても、経済の拡大にはある程度の通貨発行や信用の拡大が伴ってきました。通貨や信用の供給が経済の成長や需要に合わせて適切に管理される場合、それはポジティブな効果をもたらす可能性が高いです。

以下に、国債発行とその影響に関する議論のポイントを挙げます:

  1. 国債の役割:国債は、公共投資や社会的な需要を賄うための重要な資金調達手段です。適切なタイミングと量での国債発行は、経済の停滞やデフレを回避し、成長を促進する手段として機能することができます。
  2. 将来の世代への影響:国債が将来の世代に負担をもたらすとの議論は、経済学的には必ずしも一意的ではありません。一部の議論では、国が国内の個人や企業から資金を借り入れる形での国債発行は、基本的には「将来の世代への移転」ではなく、「同一の世代内での資産移転」と見ることができるとされています。
  3. 信用リスク:過度な国債の発行は、信用リスクやインフレリスクの増大を引き起こす可能性があるという懸念が一部にはあります。しかし、日本の場合、国債の大部分は国内で保有されており、外国からの圧力や信用リスクは比較的低いとされています。
  4. 持続可能な財政政策:国債発行の適切な水準やタイミングは、経済の状況や需要、国の財政状態などの複数の要因を考慮して決定されるべきです。持続可能な財政政策を維持することで、経済の安定や成長を長期的に支えることが可能です。

結論として、国債発行自体が悪であるとは言えませんが、その規模や目的、そして状況に応じた適切な管理が求められます。

 質問:

国債の発行は、信用リスクやインフレリスクの増大を引き起こす可能性があるという懸念が一部にあることは事実ですが国債発行は諸外国でも行われています。信用リスクやインフレリスクの増大を引き起こす可能性があるのは、外国からの借金が膨大な時でしょう。日本は対外純資産が世界一なので、それはないでしょう。インフレになるということは需要が伸びるということであり、需要不足の日本経済にとってこれほどよいことはありません。

ChatGPT

ご指摘の通り、国債発行に関するリスクの認識や評価は、各国の経済状況や背景によって大きく異なります。

日本においては以下の点が特徴的です:

  1. 対外純資産が世界一:日本は世界最大の対外純資産を持つ国として知られています。これは、日本が他国からの借入れよりも、他国への投資の方が遥かに大きいことを示しています。そのため、外国からの資金供給への依存が少なく、外部からの圧力や信用リスクが低いと評価されています。
  2. 国内保有の国債:日本の国債の大部分は国内で保有されています。これは国債の信用リスクを低く抑える要因の一つとなっています。
  3. デフレ圧力と需要不足:過去数十年の間、日本経済はデフレや低成長の圧力にさらされてきました。このような状況では、インフレを引き起こすリスクよりも、経済を刺激し、需要を増加させることがより重要となります。インフレが一定のレベルまで上昇することは、実際には経済の活性化をもたらす可能性があります。
  4. インフレ目標の下での金融政策:日本銀行は、2%のインフレ目標を設定しています。この目標を達成するために、様々な金融緩和策を取ってきました。これは、適度なインフレが経済にとって望ましいとの認識を示しています。

以上の背景を踏まえると、日本における国債発行が大きなリスクを伴うわけではないと言えます。しかし、その規模や使途、そして将来の経済状況などを常に考慮し、適切な財政政策を採る必要があります。

質問

現在の岸田政権においては防衛費の増額、少子化対策のための財源として国債発行ではなく、増税や社会保障費の削減などを検討しています。国債発行のほうが、日本経済にはよいと考えますが如何でしょう。

ChatGPT

日本の財政政策に関する取り組みは、その時点の経済状況、政策目的、及び社会的な課題や背景に基づいて選択されるべきです。岸田政権が増税や社会保障費の削減を検討している背景には、以下のような理由が考えられます。

  1. 持続可能な財政の実現:国債の発行を増やすことなく、持続可能な財政を目指すため、税収を増やしたり、支出を削減する取り組みが行われています。
  2. 信用リスクの管理:日本の国債の発行残高はGDPに対して非常に高いレベルにあります。信用リスクを抑制し、国際的な信用格付けを保持するために、財政健全化への取り組みが進められています。
  3. 社会保障制度の再構築:高齢化が進む中、社会保障制度の持続性を確保するためには、その財源や給付内容を再検討する必要があります。
  4. 経済成長とのバランス:経済の持続的な成長を促進するため、適切な政策ミックスを取る必要があります。これには、財政政策だけでなく、構造改革や規制緩和なども含まれるでしょう。

一方、国債発行を通じた財政出動のメリットとして以下の点が考えられます。

  1. 経済刺激:経済が停滞している場合やデフレが継続している場合、財政出動を通じて経済を刺激することができます。
  2. インフラ投資:国債を発行して得られる資金を、インフラ整備や研究開発への投資に活用することで、経済の長期的な成長を促進することができます。

結論として、国債発行と税収増や支出削減のどちらの手段が適切かは、具体的な経済状況や政府の政策目的に応じて慎重に判断する必要があります。

質問:

国債発行と税収増や支出削減のどちらの手段が適切かは、需要不足が続き不況から抜け出られない日本経済を考えれば明らかでしょう。増税や歳出削減など行えば需要は減少し更なる経済悪化は避けられず、国債発行なら需要を増やし、投資を促進し製造業の国際競争力を高めることができますね。

ChatGPT

あなたの意見は、経済学の中でも特に「ケインズ経済学」の視点と合致しています。ジョン・メイナード・ケインズは、経済が不況にあるときや需要不足が生じているときには、政府が財政出動を通じて経済を刺激すべきだと主張しました。

具体的には以下のメリットが考えられます:

  1. 多重効果: 政府の支出が経済における需要を刺激することで、企業の生産や雇用が増え、それがさらに他のセクターに波及して経済全体が活性化します。
  2. インフラ投資: 政府がインフラ整備などのプロジェクトに投資することで、長期的な生産性の向上や新たな産業の育成が期待されます。
  3. 総需要の確保: 消費や投資の低迷している時期に、政府の支出を増やすことで、総需要を確保し、企業の生産動機を保つことができます。

一方で、長期的な国債発行が続くと、以下の懸念点も考えられます:

  1. 持続性の懸念: 長期的には、国の財政の持続性や信用格付けなどの面で問題が生じる可能性がある。
  2. 適切な支出先の選択: 財政出動が適切なプロジェクトや分野に使われるかどうかが重要で、無駄な公共投資が増えると、経済の資源が非効率的に使われるリスクがある。
  3. インフレリスク: 財政出動や金融緩和が過度に行われると、需要が供給を大きく上回る状態となり、インフレリスクが高まる可能性がある。

このように、財政出動には一長一短がありますが、需要不足やデフレリスクが続く中で、国債発行による財政出動は、経済の回復を支える有効な手段として考えられます。それに対して、増税や歳出削減は、経済の収縮を引き起こすリスクがあるため、適切なタイミングや方法で行う必要があります。

質問:

国の財政の持続性や信用格付けなどの面で問題が生じる可能性があると言いますが日本は世界最大の対外純資産を持つ国なので、そのような可能性は少なく、今は経済再建を優先すべきでしょう。適切な支出先の選択ですが、防衛費や少子化対策は経済の資源が非効率的に使われるリスクはありません。その他、半導体産業の再生、量子コンピュータの開発、自動車もEV化、燃料電池の開発、水素をCO2を出さないで大量に生産する技術開発など多数の投資すべき課題はあります。大学や企業の研究開発に大規模な投資を国債発行して国の予算で支援すべきです。

ChatGPT

あなたの指摘は、経済の現状や未来の成長への投資の重要性を強調する視点を示しています。事実、日本は大量の対外純資産を持つ国であり、その資産は日本の信用リスクを相対的に低める要因の一つとなっています。そのため、日本のような国での国債発行のリスクは、他の多くの国に比べて低いと言えるでしょう。

以下の点で、あなたの指摘に賛成する意見を述べてみます:

  1. 技術革新と経済成長: 半導体産業や量子コンピュータ、EV化、燃料電池、水素生産技術などの研究開発への投資は、未来の経済成長を支える要因となるでしょう。これらの分野での技術革新は、新たな産業や雇用の創出を促進するとともに、国際的な競争力を向上させる可能性があります。
  2. 社会課題への取り組み: 少子化対策や防衛費の増額など、国の将来の安全と安定を確保するための投資は、中長期的に経済の持続可能な成長を支える要因となります。
  3. 大学や企業の研究開発への投資: 知識ベースの経済での競争力を維持・強化するためには、大学や企業の研究開発への投資が不可欠です。政府が積極的にこれらの研究開発を支援することで、革新的な技術やサービスの創出を促進し、経済の新たな成長エンジンを生み出すことが期待されます。

これらの要因を考慮すると、日本経済の再建と未来の成長を目指す上で、国債発行を活用した財政出動は有効な手段であると考えられます。ただし、国債発行の量や投資先の選択、支出の効率性などについては、慎重な検討と調整が必要です。

質問:

財政法第四条に「 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない」となっているのが積極財政に転換できない原因の一つと言われていますが、この条文は終戦直後にGHQが日本に二度と戦争を始めさせないとう目的で作られました。77年も前のことであり、今はアメリカも日本の防衛力強化を支持しております。だから財政法第四条は改正すべきなのではないですか。

ChatGPT

財政法第四条の背景やその後の国際状勢の変化を考慮すると、あなたの意見は合理的なものといえます。この条文は、戦後の経済復興の文脈や当時の国際環境を背景にして設けられましたが、その後の経済発展や国際環境の変化を鑑みると、改正の必要性について議論する価値があるでしょう。

以下はその理由です:

  1. 変化する国際環境: あなたが指摘したように、現在の国際的な文脈は、終戦直後とは大きく異なっています。アメリカを始めとする多くの国が、日本の防衛力強化を支持しています。これに応じ、日本が自らの防衛能力を適切に強化するための財政的柔軟性が求められることが考えられます。
  2. 現代の経済的ニーズ: 経済環境や財政政策のニーズも変化しています。積極的な財政出動が求められる状況が増えている中、法的制約によりその動きが制限されるのは、経済運営上不利益となる可能性があります。
  3. 法の精神と現実のギャップ: 法の原則や精神は大切ですが、それが現実の経済や社会のニーズに合致しなくなった場合、適切な見直しを行うことが求められます。
  4. 持続可能な財政運営の視点: 財政法の改正を訴える声がある一方で、持続可能な財政運営を目指す声も存在します。改正を行う際には、両方の視点をバランスよく取り入れる必要があります。

総じて、財政法第四条の改正については、現代の経済や社会の状況、国際環境の変化を踏まえて、適切に議論されるべきテーマといえるでしょう。

質問:

国債発行をする代わりに政府貨幣を発行すれば政府の債務は増えないという意見があります。これは実現可能な案ですか。

ChatGPT

政府貨幣の発行(通常「ヘリコプターマネー」とも称される)とは、中央銀行が政府に直接資金を供給すること、もしくは中央銀行が直接国民にマネーを供給することを指します。このアイディアは、経済のデフレ圧力を打破するためや、リセッションからの回復を助けるための一つの手段として提案されることがあります。

政府貨幣を発行すれば政府の債務は増えないというのは、技術的には正しいです。なぜなら、政府が自らの通貨を発行する場合、その通貨を返済する必要は基本的にありません。しかし、このアプローチにはいくつかの懸念点や注意すべき点があります。

  1. インフレリスク: 政府が大量の貨幣を発行すると、供給過多となり価値が下落する可能性があります。これがもたらすインフレは経済に悪影響を及ぼす恐れがあります。特に、経済が供給制約に直面している場面では、供給側が追いつかずにインフレが加速するリスクが高まります。
  2. 信用リスク: あまりにも大量の貨幣を発行することで、国の通貨に対する信頼が低下する可能性があります。これにより、通貨の国際的な価値が低下する恐れがあります。
  3. 中央銀行の独立性: 政府が直接貨幣を発行する場合、中央銀行の独立性が損なわれる可能性があります。中央銀行の独立性は、インフレやデフレを防ぐための通貨政策を効果的に運営する上で重要です。
  4. 経済政策の効果: 通貨を直接発行することで、経済にお金が供給されるのは確かですが、それが実際に投資や消費に繋がるかは不確実です。

要するに、政府が直接貨幣を発行することは理論上は可能ですが、その実施には複数のリスクや懸念点が伴います。そのため、このアプローチを採用する前に、その利点とリスクを十分に検討し、他の政策選択肢とのバランスを考慮する必要があります。

質問:

政府貨幣を発行する場合(1)と、国債を発行してそれを銀行が買い、そのあと日銀が買うという可能性(2)ですが、どのような違いがありますか。そもそも政府貨幣が今の日銀券を混じって流通するといろいろ困りませんか。

ChatGPT

政府が直接貨幣を発行する方法(1)と、国債を発行してそれを銀行が購入し、後に中央銀行(例:日本銀行、日銀)がそれを買い取る方法(2)は、実質的な影響や背後にある経済思想が異なります。

  1. 政府直接貨幣発行(1)
    • 経済的影響: 政府が直接貨幣を発行すると、短期的には経済活動を活性化させる可能性があります。しかし、供給過多となるとインフレーションを引き起こすリスクがあります。
    • 経済思想: この考え方は、通常、近代貨幣理論(MMT)と関連して議論されることが多い。MMTの支持者は、国家が自国の通貨を発行する限り、デフォルトのリスクはないと主張します。
  2. 国債発行と中央銀行の購入(2)
    • 経済的影響: 中央銀行が国債を購入することで、市場から流動性を吸収することができます。この方法は、量的緩和政策の一部として採用されることが多い。
    • 経済思想: このアプローチは、通常、中央銀行の独立性を重視する経済学の考え方と関連しています。中央銀行が市場から国債を購入することで、短期的な流動性を提供し、長期的な金融安定を促進することができます。

政府貨幣が現行の日銀券と混在して流通することの懸念について:

  1. 信頼の問題: 2種類の通貨が混在すると、市場参加者はどちらの通貨がより信頼性があるのかを判断する必要があります。これにより、通貨の価値に対する不確実性が生じる可能性があります。
  2. 交換レートの問題: 2つの異なる通貨が存在する場合、それらの間に為替レートが存在する必要があります。これは取引を複雑にする可能性があります。
  3. 政策調整: 2つの通貨が存在する場合、政府や中央銀行はその価値や供給を調整するための追加の政策ツールを持つ必要があります。

総じて、2つの異なる方法にはそれぞれ利点と欠点があります。どちらの方法を選択するかは、国の経済状況や政策の目的に応じて決定されるべきです。

質問:

政府貨幣を発行する場合、具体的な方法を教えてください。法律の改正が必要になりますね。

ChatGPT

政府が直接貨幣を発行する場合、いくつかのステップを踏む必要があります。具体的な方法や過程は国によって異なりますが、以下は一般的なステップと考慮点を示しています。

  1. 法的な権限の確認: ほとんどの国では、通貨の発行権は中央銀行が持っています。したがって、政府が直接貨幣を発行するには、中央銀行法や関連する法律を改正する必要があります。
  2. 新しい通貨の設計: 政府が新しい通貨を発行する場合、その通貨のデザイン、印刷、製造、配布などの具体的な詳細を決定する必要があります。
  3. 発行量の決定: どれだけの量の新しい貨幣を発行するかを決定する必要があります。これは経済のサイズ、目的(例えば、財政赤字の資金調達や経済刺激)、およびインフレーションのリスクを考慮して決定されるべきです。
  4. 通貨の配布: 新しい貨幣を経済の中に導入するための方法を考える必要があります。これは、公共事業の支払い、社会的給付、または直接の市民への配布など、さまざまな方法で行うことができます。
  5. 通貨の安定: 政府が直接貨幣を発行すると、通貨の価値に関する懸念が生じる可能性があります。したがって、通貨の安定を維持するための方針やツールを考える必要があります。
  6. 透明性と監督: 政府が貨幣を発行する過程は、透明であり、適切な監督やチェックアンドバランスの下で行われるべきです。これは、公共の信頼を維持するために非常に重要です。
  7. 教育と意識向上: 新しい通貨の導入は、市民やビジネスの間で混乱を引き起こす可能性があります。したがって、教育キャンペーンや情報提供の取り組みが必要です。

法的な改正は、多くの国でこのプロセスの初期段階で必要となるでしょう。しかしながら、このような大きな変更を実施する場合、経済的な影響やリスクを十分に考慮することが不可欠です。

質問:

先進国で中央銀行券に加え政府貨幣を大量に発行した例はありますか。

ChatGPT

先進国で中央銀行券(通常の通貨)とは別に政府が直接貨幣を大量に発行した具体的な事例は、特に20世紀後半以降には少ないです。しかし、歴史的にいくつかの事例が存在します。以下は、その中で顕著な例とそれに関連する状況を示しています:

  1. ドイツのヴァイマル共和国(1920年代): 第一次世界大戦後の賠償金支払いのために、ドイツのヴァイマル共和国は大量のマルクを印刷し発行しました。これは過度なインフレーションを引き起こし、経済的・社会的混乱の一因となりました。
  2. フランス(革命後の1790年代): フランス革命後、フランスは国の債務を賄うために「アッシニア」という紙幣を発行しました。この過度な紙幣発行は、インフレーションを引き起こし、経済的困難を悪化させました。

それに加えて、一部の新興国や途上国で政府が通貨を過度に発行し、その結果としてハイパーインフレーションが発生した例も存在します(例: ジンバブエ、ヴェネズエラなど)。

しかし、これらの事例は、特定の歴史的・経済的背景の下で発生したものであり、単純に政府が通貨を発行した結果としてハイパーインフレーションが発生したわけではありません。各事例には複数の要因が関与しており、それぞれの国の具体的な状況を考慮する必要があります。

現代の先進国においては、中央銀行が独立して通貨政策を行使し、政府が直接的な通貨発行を控える傾向にあります。これは、過去のハイパーインフレーションの事例や経済学の理論から学んだ教訓に基づくものです。

質問:

結局、政府貨幣発行で成功した例はないということですか。日本も明治の初期には太政官札などを発行しましたが、日銀が設立されてからは政府貨幣は回収されましたね。

ChatGPT

おっしゃる通り、歴史的に見ると、政府が直接大量の貨幣を発行した結果、経済的な困難やハイパーインフレーションが発生した事例が多く存在します。しかし、「成功した例がない」と一概に言うのは短絡的で、具体的な背景や状況、政策の実施方法など、さまざまな要因を考慮する必要があります。

日本の例を取り上げると、明治時代には、確かに太政官札などの地方通貨や政府紙幣が数多く発行されました。これは、新政府が資金調達の手段として紙幣を発行し、さらに多くの藩が自藩通貨を発行していたため、紙幣の乱発が進行しました。この結果、紙幣の信用が低下し、インフレーションが進行しました。

その後、1882年に日本銀行が設立されると、国の通貨政策の中心として、日本銀行が通貨発行の権限を有するようになりました。そして、地方通貨や政府紙幣は段階的に回収され、日本銀行券が主要な通貨として流通するようになりました。この結果、通貨の安定と信用の回復が図られました。

この日本の事例を通して、政府が直接通貨を発行する場合、その量や発行の目的、通貨の信用などを適切に管理することが非常に重要であることが示されています。さらに、中央銀行の独立性や通貨政策の適切な実施が、経済の安定と成長を支える重要な要素であることも強調されています。

質問:

政府貨幣と日銀券が同時に流通した場合、自動販売機が全部使えなくなりますね。両者の交換レートが決まり交換のための市場が開くということですか。

ChatGPT

政府貨幣と中央銀行の通貨(この場合は日銀券)が同時に流通する場合、その二つの通貨の間に価値の差異が生まれる可能性があります。特に、市場が両方の通貨の信用性や将来の価値について異なる見解を持つ場合には、交換レートの変動や市場での取引が発生する可能性があります。

以下のような問題や考慮点が考えられます:

  1. 物理的な取扱い: もし政府貨幣と日銀券が形状や大きさ、材質などで異なる場合、現行の自動販売機やATM、レジなどの機器が両方の通貨を受け付けるように改造する必要があります。それが難しい場合は、一部の機器で政府貨幣のみを、別の機器で日銀券のみを取り扱うといった対応が必要になるかもしれません。
  2. 交換レートの設定: もし政府貨幣と日銀券の間に価値の差異が生じる場合、その交換レートをどのように設定するかが問題になります。政府や中央銀行が公式にレートを設定するのか、それとも市場の供給と需要に任せるのか、といった選択が考えられます。
  3. 信用リスク: 両通貨の信用性や将来の価値に対する市場の信頼度が異なる場合、どちらかの通貨に対する信用リスクが高まる可能性があります。これにより、一方の通貨が大量に流通する一方、もう一方が市場から消えるという事態も考えられます。
  4. 経済政策への影響: 2つの通貨が流通することで、金融政策や物価安定政策の効果に影響が出る可能性があります。

このように、政府貨幣と日銀券が同時に流通する場合、多くの複雑な問題が生じる可能性があります。したがって、そのような決定を下す前に、十分な検討と準備が必要となるでしょう。

 

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2023年7月30日 (日)

内閣府計量分析室の試算から問題点を考える(No.483)

令和5年7月25日に中長期の経済財政に関する試算が発表せた。相変わらず、TFP(潜在成長率)を無理に上昇させて成長率を上げようという欺瞞的な態度は変わっていない。

今回注目したいのは、国債費を「債務償還費」と「利払い費」に分けて発表したことだ。国防費の増額、少子化対策に財源を捜していたら債務償還費の減額で財源を確保したらという意見が出てきたのでその額に注目が集まっている。具体的な数値は試算を見て頂きたいのだが、つぎのグラフで問題点が明かになる。

 

Photo_20230730114201

赤線は債務償還費(B)として20兆円近くが毎年歳出に組み込まれていて、重い財政負担となっていることだ。青線は今回の試算で示された財政収支の予測(A)だ。無理なトリックを使ってなんとか財政赤字を解消しようとしている。もし債務償還費を払う必要がなかったら灰色のA+Bのグラフとなり相当大幅な黒字予算となり、日本経済を停滞させる。債務償還費は日本独特のものであり、財政が厳しいということ国民を騙している。例えば米国など諸外国は債務償還費などない。そもそも債務償還費とは国債を60年かけて返していこうとうもの。新規国債は60年で完済しようとしている。将来世代にツケを残さないという欺瞞的な考えだ。しかし債務償還費を払い続けても政府債務は増え続けているし経済の拡大にはむしろ政府債務が拡大し続けなければならない。もし政府債務を完済したら、日本経済は破綻する。日本人の保有する通貨を全部国が没収することになるから。

政府の債務を返済する必要はなく、増やし続けても構わない。日銀が通貨発行して債務を買い上げればよいだけだ。もし米国のように債務償還費を払わないようにしたら、一気に20兆円近くの財源が出てくる。それなら国防費増額、少子化対策を払っても余る。更に財政拡大が可能になり日本経済の復活が見えてくる。

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2023年3月16日 (木)

ChatGPTは人の労働を代替できるか(No.181)

ChatGPTは、OpenAIという人工知能研究組織が開発した。2022年11月にサービスが始まったばかりですが、わずか2か月で、月間のユーザー数は、推定1億人を超えた。ChatGPTは自然言語処理ができるわけで、人が話す内容を理解し、まるで人が答えるような言葉で返事を返す。その返事におかしなところがあって、注意すると、「間違いました。すいませんでした。」と素直に謝る。膨大な知識を持っているので素晴らしい。

顧客と会話するだけの職業であれば、適切にカスタマイズすれば人間の替わりに働くことができそうだ。米プリンストン大学の研究者の研究によれば、最も影響を受けやすいNo.1の職業はテレマーケティングを行う職業だそう。電話を利用して顧客に勧誘などを行う仕事。問題は間違った情報を伝え契約を成立させてしまう可能性があることだ。その可能性が十分少なくしてから実戦配備となるだろう。

影響受けやすさNo.2は教師(英語・英文学)だという。日本では日本語・日本文学ということになる。しかしチャットGPTは英語力は完璧かもしれないが日本語に関しては完璧ではなく、学校で国語を教えるにはもっと勉強する必要がある。一方英語の実力は完璧だから英語を教える事ができる。ただし英語のレベルは色々で、英検も1級から5級まである。生徒のレベルに合わせて教えるようにすべきである。英会話の自習には最適である。日本の英語教育は文法や読解に重点が置かれ、英会話が苦手なので、チャットGPTに英会話の個別指導をお願いすべきだと思う。チャットGPTは歴史、法学、哲学、社会学、政治学などは膨大な知識を持ちうまく教えられるのではないか。もちろん間違った知識が混じっていたら問題になる。

チャットGPTが算数を教えられるかを試してみたが、非常に難しいという印象を受けた。円の面積とか正三角形の面積とかは公式に当てはめて正しい答えを出す。しかし、正三角形の面積を別の方法で求めるよう指示したら間違えた答えが返ってきた。間違いを指摘すると「申し訳ありません。間違った回答をしてしまい、ご迷惑をおかけしました。」と謝罪した。この調子では算数を教えるには、大変な努力が必要になりそうである。かつて「ロボットは東大に入れるか」というプロジェクトを国立情報学研究所が中心になって立ち上げた。結果は全受験生の上位20%程度で多くの大学に入れるが、東大は無理ということだった。文章の意味を理解できないので、とんちんかんな答えを選んでしまうのだ。チャットGPTを使えばその点は改良されるかもしれないし東大に合格できる点が取れるかもしれない。

AIが人間と自由に話しができるようになった、少なくとも自由に話していると思わせる能力を持ったという意味は非常に大きい。今後は目的別にカスタマイズしていけば人間の労働を徐々に代替できるようになる。その時、大量の労働者が職を奪われる可能性がある。しかし財・サービスの供給力には問題は無いわけだから、お金を適切に国民に配れば人は貴族のような生活ができるようになる。問題はどのようにしてお金を循環させるかである。要するに好きな事をしてお金が貰える社会システムの構築だ。詳しくは次の本を参照して頂きたい。
『ロボット ウィズ アス 労働はロボットに人間は貴族に』小野盛司(2005)
『「資本主義社会」から「解法主義社会」へ』小野盛司(2019)

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2023年2月10日 (金)

内閣府計量分析室に電話して内閣府試算について聞きました(No.480)

小野 先日内閣府で経済財政に関する試算を出されました。新聞報道では26年度基礎的財政収支の黒字化見通し維持となっていましたが、どのようにして黒字化するのでしょうか。素朴な疑問としてかつて基礎的財政収支が黒字化した事は一度もないのではないかと思います。毎年のように黒字化するとの予測する試算を出していますが、結局その予測がことごとく外れた。今回26年度黒字化すると予測していますが、その根拠は何でしょう。

回答:成長実現ケースで26年度から黒字化するということです。まず経済面から申し上げます。経済が骨太方針に基づいた取り組みに基づいて実質2%の成長を中長期的に実現することによって、経済状況と、あと財政面では補正予算とかがあるのですが26年度黒字化ということになっております。税収の上振れも関係すると思います。

小野:毎年同じように実質2%、名目3%というように仮定して計算されていると思うのですが、実際そうなってないですね。

回答:実質2%、名目3%を前提として置いているということではなくて、モデルの中で潜在成長率を計算してモデルの中で潜在成長率によって実質成長率が決まると言う形になっています。

小野:潜在成長率とはTFPですね。

回答:TFPと労働の寄与を合わせたものですね。

小野:TFPが上昇すると仮定していますね。

回答:はい。TFPを外生的に置いています。

小野:TFPの上昇は計算で求めたのでなく、バブル期に急激に上昇していたから、今回もそのペースで上昇するのだと仮定したんですよね。

回答:はい。TFPはデフレ期に入る前のような上昇をすると仮定しています。

小野:バブル期のTFPの上昇と現在の経済状況とは全然違いますよ。当時はプラザ合意で円高不況になった。それから脱却するために公定歩合を5%から2.5%に下げた。更に日銀の窓口操作で貸出をどんどん増やし、随分無理な貸出をやり株や土地にもの凄いお金が流れバブルになりましたね。

回答:はい。

小野:その時の状況と今の状況は全然似ていません。

回答:そういったご意見は承ることが結構多くて、TFPの上昇期間が1982年から1987年までの5年間でとっていますので確かにかなり上昇したところをとっています。

小野:かなり無理をしていますね。

回答:まあ、政府の目指す姿を見せるためにというところがあります。

小野:でもあの時とは随分違います。今、金利を2.5%下げるのはゼロ金利なので無理です。日銀の窓口操作で貸出を無理矢理伸ばすこともできず、銀行も資金需要がなく金利低迷のときに無理矢理貸し出しを伸ばそうとはしない。銀行経営は苦しく、昔買った金利の高い国債の配当でなんとか生き延びている。本業の融資で本格的に利ざやを稼ぐことはできない。その面でもバブル期を随分違います。

回答:はい。

小野:経済財政の試算をよく見ると国家財政はずっと赤字が続くが、地方財政がもの凄い黒字になるとされていますね。例えば2032年度には地方財政収支が14.7兆円もの黒字、国家財政収支は13.3兆円の赤字です。全体では黒字になる。このレベルの黒字に地方財政がなったことがあるのか。

回答:確かに14.7兆円の黒字になったことはありません。

小野:なぜこのような黒字になったのか。住民税なのか事業税なのか地方消費税なのか地方たばこ税なのか不動産取得税なのか固定資産税なのか。どこでこのような莫大な収入を生み出せるのでしょう。

回答:把握し切れていません。

小野:方程式には書いてあるのですよね。

回答:モデルで出した値になります。

小野:2018年度版の乗数は公開されていますがこれに添っているわけですね。方程式のリストも変数リストもありますね。

回答:はい。

小野:この中には地方税の計算の仕方も書いてあるのですね。もしかして方程式が暴走してあらぬ方向に行ってしまったというのではないのですか。地方税でそんなに儲かるなら国に回しなさいということになりませんか。

回答:前回の2022年7月の予測でも同様な結果になっています。前回とそれほど変わっていない。

小野:前回も今回もおかしいのではないかという質問です。

回答:詳しい人に代わります。
回答1:代わりました。岩下と申します。地方が大幅黒字になることですが、モデルに従って税収が伸びていくこと、国の税収が増えていき地方交付税がどんどん増えていく。これによって黒字幅が大きくなっていく。

小野:地方交付税交付金が国税を使って地方にお金を還元するのですか。

回答1:そうですね。

小野:あまり額が大きくなりすぎて国の方が貧しくなり、地方が金持ちになったら、それを調整する制度にはなっていないのですか。

回答1:単年度では決算が良くなることによる覚え書き加算で、総務省と財務省で色々調整を行って、単年度でやっていくようになっているのですが、それは単年度で臨時的に調整していくもので、モデルの中ではそういう調整ができていないということです。

小野:ルールがあるのではないですか。単年度ではある程度不均衡になったら交付金は制限するとか。

回答1:将来に向けて決まっているルールだけでやっています。

小野:どうやってルールを決めるのですか。

回答1:総務省の自治財政局とかが地方財政計画とかをつくって財務省との間で色々取り決めを行っていまして、最近よくやっているのは地方交付税特会の借入金みたいなのを前倒しで返していこうということをやっていたりはするんですけど、結構臨時的にやっているものなので、もちろん将来進んで行く中でそういうやり方が行われるかもしれないのですが、まだ決まっているわけではないので試算では決めてないということです。

小野:方程式の中に入っていないということですね。だから10年後には違っているかもしれないかも。

回答1:それはあるかもしれません。

小野:乗数を出されていますよね。経済財政モデル2018年度版です。これが最新のものだと思いますが、この乗数を使ってこの試算の表を見て良いのかということですが。歳出は2022年度は138兆円、2023年は114兆円ですから24兆円減ってますね。2024年度はもっと減っている。もし乗数によれば、歳出が減ればGDPも減るのではないかと思いますが。補正の使い残しとかの理由があるのでしょうか。

回答1:これは足下の22年度が大きかったのは22年度の補正予算を加えたからなのですが、この補正予算は22年度だけでなく23年度、24年度でも使えます。その姿は一般会計には載っていない。予算の単年度主義というか、実際には繰り越しを想定しているので、政府の最終消費支出とか公的資本形成には繰り越されて使われています。

小野:本当はその繰り越した分を入れた方が我々には分かりやすい。

回答1:そうなんですが、時間がなくてそこまでできてない。

小野:実質2%、名目3%の成長ということで成長実現ケースの場合はモデルが決められているのですね。

回答1:正確に言えば政府が掲げる政策が効果的に発現したときにどうなるか、過去の実績も踏まえて出しているところです。

小野:過去の実績ということになると実質2%、名目3%成長は最近はないです。


回答1:そうですね。結構前になってきますね。

小野:政府の歳出の推移を見ると実際非常に長い期間増やしてないですね。何パーセントかづつ、増やさないとモデルによっても実質2%、名目3%成長が実現できないのではないですか。

回答1:今の歳出の規模だとこれが達成できないのではないかとおっしゃりたいのですね。我々のモデルとしましては、潜在成長率が高まればその潜在成長率に添ってGDPが増加するようになっている。外生に置いている潜在成長率に添って動いていく。だから成長が実現するというモデルにはなっています。

小野:それはずっと前からそう仮定しておられますね。

回答1:はい、民需主導で。

小野:ところが潜在成長率、TFPが実際どうなったかは出しておられますよね。

回答1:実績ということですね。

小野:実績はそんなに凄い勢いで伸びてないです。過去TFPが伸びた頃はあった。1982年から1987年です。どうして伸びたかと言えばプラザ合意の後の円高不況を立て直そうと公定歩合を5%から2.5%に下げた。さらに日銀の窓口操作で猛烈な勢いで融資をし、銀行に圧力をかけて無理矢理貸出を増やそうとした。そのお陰で株や土地に投資していた頃ですね。

回答1:確かにそうですね。

小野:あの頃はマスコミも株や土地転がしでこんなに儲かったという話題で一杯でした。一般の人もその話題で盛り上がっていて、NTTの株が売り出され、その株価が一気に3倍になり大儲けをした人で溢れました。借金をしてでも、ともかく買おうという人が続出しました。株神話と土地神話があり本業の利益より遥かに大きな利益が得られると言っていました。国中が異常な状況にありできるだけ融資を受けて投資していました。

回答1:成長への期待が大きかったのですね。

小野:今はそんな状態でしょうか。逆にデフレマインドに覆われていて、投資してもどうせ儲からないと思っています。テレビでも株や土地転がしで儲かるという話は皆無です。つまり社会の雰囲気はまるで違う。だから潜在成長率があのときのように高まると仮定するのは無理があるという気がします。

回答1:高すぎるということですね。

小野:これからどんどん伸びていくとの予想はおかしいと思います。5年間で0.9%の上昇というように毎年同じ事を言っています。しかし実績を見てもそんなに上がっていない。
だからこの仮定が無理なのではないか。

回答1:総理も確かそう言ってはいたと思います。結構難しい課題だと思います。政府が掲げる課題を効果的に発現していくところのケースにはなるので、まあ目標としてそういう姿を目指していますということなのです。だから確かにそれに対する評価は色々あるかもしれないですが、それでもそれを目指すということです。

小野:そうでしょうが、現実はそう易しくはないですよと言うことが計量経済学というかシミュレーションの一つの目的ではないかと思います。政府に目冷ませてやる。

回答1:そういう目標の姿を見せつつも、今の水準が続いた場合、ベースラインケースも示し、更にベースラインケースより潜在成長率が更に下がった場合の感応度分析というものも17頁に出しております。更にリスクケースというケースを一応出しています。色々な姿を何種類か出しているというところです。

小野:そういうことで岸田さんは危ないケースをやろうとしているのですか。

回答1:危ないケースをやろうとしているというか、まあ政府全体で目指しているのは成長実現ケースです。

小野:潜在成長率というものが、そもそも何なのかということです。今はバブル発生過程の異常な雰囲気とは違うし、大正時代にも大正バブルがありましたが、バブルが発生するときには国中が異常な状態になる。お金を持つだけでは価値が上がらないから投資しようとか消費しようとかという雰囲気になる。そうするとTFPが上がることはある。でも今は失われた30年と言われている。デフレマインドが完璧に定着しています。だからTFPを上げようとしてもテコでも動かないというのが実情で、むしろ歳出を増やせば乗数に従ってGDPは増えるのではないですか。例えば7頁に成長実現ケースというのがあり、そこでは歳出を徐々に増やしていますよね。2032年には139兆円にまで増えています。一定のペースで増やしています。

回答1:高齢化の上昇ペースで増えていますね。高齢化等による年金等の支払いがあり社会保障関係費の増加と物価の上昇で増えています。

小野:現在4%程度のインフレ率ですが、燃料価格の上昇によるものであり、上昇しなくなったらインフレ率も下がってきますね。中国経済の落ち込みもあり燃料価格が下がってインフレ率も下がっていくのではないか。デフレマインドが解消されて毎年物価が上がっていくことになれば皆さんお金を使うし投資もするようになるという気もします。要するに潜在成長率を上下させて計算をするのは現実的ではない。むしろ歳出を拡大して計算してみるべきだと思います。歳出の増加率で比べると日本は世界最低レベルです。乗数を出しておられるので歳出を増やしていけば、財政赤字は拡大します。1960年代のような高度成長期には歳出も20%前後の増加を毎年していた。それと同じくらい税収は伸びていました。

回答1:物価も伸びていましたね。

小野:そういう状況にするためには、デフレマインドを解消しなくてはいけない。そのためには歳出を拡大していけば潜在成長率をいじらなくても経済は成長しますよということを示した方がよいのではないでしょうか。潜在成長率を伸ばすには技術革新を起こす、AIとかITで革命的な発展が起きてそれが経済を牽引するということなら話は違ってきます。そういうのがなかなか起きない状況では、歳出を増やすのが一番よいのではないですか。歳出を何に使うかということですが、子育て支援に使ってもよいし、技術革新、基礎科学などに大規模な投資をし、その結果として潜在成長率が高まればよいですが方程式に普通に入れれば、経済は2%、3%は伸びてきて成長ができるようになる。

回答1:おっしゃる通り成長への期待を高めて行かなければいけないところではありますが、歳出を増やせば成長率が高まると一概に言えるかどうか。ウチのモデルはそうはなっていません。乗数を見て頂ければ政府の歳出を増やしたとしても潜在成長率はそれほど高まらないというモデルになっています。PFTの部分が財政でおかなければならないことになっている。独自に数字を入れて行かなければいけない。歳出が伸びたとしてモデルの中で計算してGDPが増えるというようにはなっていない。

小野:歳出を増やしてもGDPは伸びないのですか。

回答1:一時的には伸びる。需要が供給を上回ることで一時的には伸びるが潜在成長率は伸びてないのでだんだん成長率が下がっていきます。潜在成長率がだんだん低いレベルに下がってしまうというモデルになっている。

小野:成長率が低くなる。人的資源や資本を使い果たす、つまりクラウディングアウトですか。

回答1:だんだんクラウディングアウトが起きてくる。特に民間の供給量が増えないので。

小野:供給量とは何の供給量ですか。

回答1:潜在GDPのことですね。

小野:人的とか資本とかですか。一杯一杯になるということですか。

回答1:はい。支出を増やしても増えないからだんだん下がって行くというモデルになっている。それとTFPの計算は難しいからということです。

小野:かつて日本は追いつけ追い越せで驚異的な経済成長をしましたね。その時人口が爆発的に増えたかといえばそうでもなかったし、電気製品でも、半導体など1990年頃は世界の50%のシェアを占めていた。そこに到る過程でそうなりました。人口は少し増えましたが、ほんの少しです。人口の増加率の10倍くらいは成長しました。人口が増えなくてもIT化、AI化、自動化で人口が増えたと同じような効果があります。農業でも大規模農業にしてAI使って自動化すれば人が少なくても生産はできる。本格的な投資が必要ですが。例えば半導体でもかつて世界シェアが50%だったのが、今は10%に下がってしまった。だから失われたものを取り返そうとすべきです。韓国や台湾に抜かれてしまいました。もう一度追いつけ追い越せで頑張れば成長できます。かつての高度成長期ほどでもなくても成長は可能です。今は世界最低レベルの成長率です。余りに財政赤字を気にしすぎて歳出を増やさない。他の先進国に比べて歳出の伸びが極端に少ない。歳出の伸びを増やすには国債をもっと発行しなければならない。国債は将来世代へのツケだろうと思う人がいるのですが、国債を金融機関が買うときの資金は日銀当座預金から持って来る。日銀当座預金は日銀が通貨発行したものが流れ込んだわけですから、国債発行は事実上通貨発行です。つまり将来世代も同様な通貨発行はできるので将来世代へのツケにならない。国債発行で財政政策を行うということは事実上通貨発行をしてそれを国民に渡していることになります。それを国民のために何かを行う。防衛費拡大でも国債でよいのではないか、増税などいらない。

回答1:そこは色々ご意見があるところです。例えば日銀当座預金で買ったとしてそれは日銀の負債でそれに金利がついたら金利負担が高まるという意見もありますし、そこは我々の試算の範囲外ですね。国債を発行してどれだけ害が出るかというのは。

小野:日銀当座預金に金利をつけるというのは当分やらないほうがよい。ちょっと大変なことになりますね。ともかく低金利でお金を借りて貰ってそれで投資をしてもらう方針でやらないといけない。

回答1:そうですね。

小野:黒田さんは今度代わりますが、新しい日銀総裁でもそのようにやるのではないか。残念なのは黒田さんで異次元の金融緩和をやりましたが、それとセットとして異次元の財政政策をやるべきでした。消費税率を上げたりして異次元の財政政策ではなくむしろ逆噴射をして景気にブレーキを掛けた。プラスマイナスゼロで結局成長しない経済にしてしまった。岸田さんは安倍さん以上に緊縮派ですね。

回答1:緊縮だと思って緊縮をやっているわけではない。当然歳入以上の歳出を出すわけですし。

小野:もっと歳出を拡大しないと諸外国に比べて国民が貧乏になっている。かつて内閣府は一人当たりのGDPが世界一だと言っていた頃があった。国民経済計算にはそう書いてあったし新聞にも書いてあった。ところがルクセンブルグが計算し直して過去に遡って日本を抜いたということはありました。それでも2位でした。今は20位~30位あたりにまで下がっていますし、更に下がっています。韓国にすら抜かれ、台湾にも抜かれそう。惨めだと思います。追いつき追い越せで頑張るべき時が来た。そこを岸田さんに理解してもらいたい。内閣府試算で潜在成長率を動かしさえすれば発展するという結論なら岸田さんは具体的に何をやればよいのか分からなくなる。長い間各内閣で潜在成長率を高めようと努力したけど高まらなかった。岸田さんも同じ過ちをしようとしている。内閣府試算では潜在成長率が上がると言っていますから、今の政策で潜在成長率は上がると誤解してしまう。

回答1:それはご理解を頂いていると思います。難しいことに取り組んでいて結局潜在成長率を高めるには投資を増やさなければいけないことは総理もご存じだと思います。

小野:投資で伸ばそうと思ったら、バブルの頃、プラザ合意があって円高不況になって、その時公定歩合を5%から2.5%に下げた。あの頃のようなインパクトがある政策をしなければならないけど、今金利を2.5%下げようとしてもゼロ金利だから無理です。お金を貸そうと思ってもあの頃のようなやり方はできません。お金を借りて株や土地を買えばいくらでも儲かる時代だった。毎日テレビもそんな話をしていました。今はデフレマインドがあり、あのようにはなりません。

回答1:潜在成長率が伸びる姿にリアリティーがないということですね。

小野:潜在成長率の推移のグラフを見ても最近は急激に上がっていません。それを大きく変えたいなら過去に経験をしたことがないような政策をしなければならない。それって凄く難しいから歳出拡大をしたほうがよい。クラウディングアウトなんて起きません。

回答1:そこは色々議論が分かれているところです。

小野:何とか岸田さんを理解させたいところです。岸田さんと直接お話しできない以上、内閣府の方々に岸田さんに実情をきちんとお話しして頂ければ有り難いと思っています。そうでないと日本経済は発展しない。4%のインフレ率ですが民間の予測では来年には1%レベルに落ちることになっていたと思います。中国経済やロシアのウクライナ戦争を見れば世界的な不況になるかもしれない。欧州もウクライナ戦争で被害を受けている。燃料価格はどこかで下がり始める。

回答1:政府としては新しい資本主義でなんとか成長の実を起こそうとしているところですが、ご意見として歳出の規模が足りないのではないかとおっしゃりたいのですね。

小野:増税などもっての外、増税は国民からお金を集めて国を更に貧乏にしてしまう。もう十分貧乏になってきたから、これからは通貨発行です。日銀当座預金に一杯お金が溜まっていますから、減税してそれを国民に与える。例え財政赤字が拡大しても大丈夫です。成長すれば債務のGDP比も下がります。財政赤字、プライマリーバランス赤字であっても今回の内閣府シミュレーションでは債務のGDP比は下がって行くと分かります。

回答1:はい、下がって行きます。

小野:債務残高が増えても財政赤字が増えても心配しなくてもいいというコンセンサスができればいいなと思います。

回答1:成長前提で予算を組むというところも難しいかもしれないですし、このまま財政規模を部やしていくとそれがダイレクトに効くわけで難しい問題ではあるのですが、ご意見としては承りました。

小野:1960年代の高度成長期にはもの凄い勢いで歳出を伸ばしていて物価も上がってはいましたが、減税をやっていました。調べて頂ければ分かりますが、所得税減税をもの凄くやっていました。給料が上がると皆さんが金持ちになってしまいます。累進課税ですから金持ちの所得税率は高くなります。だから税収が伸びすぎるので様々な控除を導入して減税を進めていました。減税を進めながらでも税収は増えていった。ほとんど知っている人がいないのですが、高度成長期は減税を次々やっていました。我々新聞をみていて、このままだとやがて税金はタダになるのかなと思ってみていたら税収は増えていました。若い人はそういう時代を知らない。当時の新聞を見ることも無いかも知れない。

回答1:物価が上がっただけでなく減税をしていたのですね。

小野:減税をしないと税収が増えすぎて成長が止まるのです。ちゃんと経済企画庁の下村さんとか宍戸さんとかが計算をされていた。10年で所得倍増と言っていたのが、実際は2倍以上になりました。当時は減税をやりながら税収は増えていった。今は増税をやりながら税収は増えない。当時は良い循環に入っていたが、今は悪い循環に入ってしまった。だから悪い循環から良い循環に戻りましょうよということです。

回答1:それはおっしゃるとおりだと思います。

小野:内閣府試算でも付録などでコメントを付けてくださると有り難い。

回答1:なるほど。先程言及した感応度分析に政府の歳出を増やした場合を追加する。

小野:政府が歳出を増やした場合と増やさない場合を比べて発表して頂ければ国民も理解できます。増税したら必ず景気は悪くなります。

回答1:ウチのモデルだと潜在成長率の仮定をしなければならず、検討が必要になります。提案は承りました。検討させて頂きたいと思います。

小野:潜在成長率はそう簡単には動かないと思います。

回答1:歳出を増やしても上がらないということですか。色々考えるところはあるのですが検討はしたいと思います。またよろしくお願いします。

小野:長い間有り難うございました。失礼します。

コメント:
回答1の方は岩下と名乗っておられました。非常に広い知識を持っておあられ、柔軟で丁寧な対応をして頂き大変感謝しております。財政支出を拡大したとき潜在成長率はどうなるかという問いに十分答えることができませんでした。財政支出で生産性を上げる投資が行われたり、それにより労働力を有効に使えるようになれば潜在成長率は上がるのではないでしょうか。

以下は私のコメントです。

2023年1月24日に内閣府が『中長期の経済財政に関する試算』を発表した。実際にこの計算を行っているのは内閣府計量分析室である。しかしこれは「将来予測」とはほど遠く、むしろ「政府のプロパガンダ」と言った方がよい内容である。それは次のような説明から明かである。

第一の例は名目GDPの予測である。

1_20230210144501

黒の線が実績であり、ほとんど成長していない。先進国では最低レベルの成長率が続いている。ところが内閣府の予測は右肩上がりで3%成長を予測している。これはモデルを使って得られた結論ではなく、政府が3%成長を目標にしているので、政府に忖度して出した結論であり政府のプロパガンダだ。長期金利に関しても同様である。

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実績では長期金利はジリジリ下がり続け、2016年頃からはほぼゼロになっている。2016年9月に日本銀行は長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)を導入した。つまり10年物国債の金利がゼロ程度で推移するように長期国債を買い入れする方針を示した。この結果長期金利はほぼ0%になった。その一方でこのグラフで分かるように毎年長期金利は急速に上昇すると予測している。その予測が間違いだということは、このグラフから明かだ。日銀が長期金利がゼロ程度で推移するように無制限の指し値買いオペをすると宣言した後でも急速な金利上昇を予測している。筆者が内閣府計量分析室に電話して日銀の政策を理解してないのかと問いただした後は、金利急上昇の予測を改めた。つまり内閣府は政府には忖度するが、日銀には忖度しない。人事権があるのは政府であり、日銀ではないからだ。

次の図は基礎的財政収支の推移と公債残高対GDP比の推移を比べたものである。公債残高の事を政府は「国の借金」と呼ぶ。いつもの事だが、基礎的財政収支は近いうちに黒字化すると予測するが、これは政府への忖度だ。しかし実際に黒字化したことは一度もない。一方内閣府の試算では国の借金のGDP比は基礎的財政収支が赤字でも下がり続けている。この試算を見て毎回マスコミは基礎的財政収支(PB)が改善されていないから政府は努力が足りないと主張する。しかしPBを改善するには増税か歳出削減せよということになるし、そうなれば確実に国民を貧乏にし、消費を減少させ、企業の経営状態を悪化させ、実質賃金を下落させる。すなわちデフレスパイラルであり実際失われた30年で日本に起こったことだ。

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竹中平蔵は「名目GDP成長率が名目金利よりも高かった場合、基礎収支が赤字でなければ、財政破綻は回避できる」と『竹中教授のみんなの経済学』(2000)の中で指摘していた。国債の発行残高が増加するにつれ、基礎的財政収支(PB)黒字化をしないと財政が破綻するという間違った説を受け入れる人が増えてきた。そのような時、小泉純一郎(当時の首相)は内閣府の試算が単なるプロパガンダだと理解しておられなかったようだ。その時の内閣府試算では2011年度にはPBが赤字から黒字に変わると「予測」していたから、「2011年度PB黒字化」を目標にすると宣言してしまった。これを達成するために、彼は国民に「痛みに耐えよ」と要求し、緊縮財政を続けたために、デフレ経済が続いた。一人当たりのGDPはかつて世界で第2位だったが、緊縮財政のお陰で18位まで下がってしまった。結局2011年度のPBは大きな赤字となり、内閣府試算が間違っていることを証明した。小泉氏はどうして財政赤字が減らないのだろうとつぶやいていた。PB黒字化を目標にする国など日本以外はどこもない。本当にPB黒字化したら、巨額のお金を国民から取り上げることになり、日本は一気に貧乏になる。次の図はPBの対GDP比のグラフである。黒い線が実績だが、一度も黒字化したことはない。しかし毎回のように、上向きのグラフを予測しているのは政府に忖度した結果だ。頑張れば黒字化するから頑張りましょうと言いたいのだ。頑張るということは国民からお金を取り上げ国民を貧乏にするという恐ろしい意味を持っている。

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内閣府の試算が全く現実離れしていることを例で示そう。平成25年度(2013年度)の予測を(A)とし、それを2023年1月の予測(B)と比べてみれば明かだ。
2023年度の名目GDPは(A)では689.3兆円だが、(B)では571.9兆円である。国債費は(A)では56.5兆円となっており実に税収の75%にも達している。筆者がこんな目的に税金の大半を使っていたら国民は税金を払わなくなると主張したら、内閣府はその後の試算では国債費を減らすよう工夫していった。(B)では25.3兆円にまで減少しこれは税収の36.5%にまで下がっている。下がった原因は長期金利の下落であり、(A)では5%と予測したが(B)では0.4%まで下がっている。

日本は積極財政政策を行うべきだという我々の主張を何人ものノーベル経済学賞受賞者が賛成している。このことは以下のサイトで詳しく説明したので是非参照して頂きたい。
https://sites.google.com/view/ajerhp1

 

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2022年11月10日 (木)

岸田首相は日本経済の現状を理解しておられるのだろうか(No.478)

10月29日政府が総合経済対策を決定した。その内容は
一般会計歳出     29.1兆円
国・地方の財政支出    39兆円
事業規模       71.6兆円
であった。内閣府によれば、この対策でGDPを4.6%押し上げる。つまり25兆円押し上げ、消費者物価を1.2%引き下げるそうだ。

2022年7月の内閣府発表によれば2023年度は
実質GDP成長率 1.1%
名目GDP成長率 2.2%
インフレ率    1.7%
であった。この経済対策でGDPが4.6%押し上げられるのであれば、名目GDPは
2.2+4.6だとして6.8%という非現実的な成長になってしまう。政府は来年度の成長率の予想が変更されるのかどうかも発表すべきではないか。

消費者物価を1.2%引き下げるそうだが、これは電気・ガス・燃料代などで小売り会社に支援金を払って値上がりを軽減することによるものだろう。日本はまだ需要不足が続いており、デフレ脱却宣言はまだ出ていない。現在のインフレ率が3%と言われるが、円安が進み燃料価格など輸入品の価格の上昇が原因で、景気が過熱して供給が追いつかなくなったというわけではない。そもそも賃金が上がらないのに、景気が過熱することなどあるわけがない。燃料価格など、輸入品の価格の上昇はやがて止まり、その後はまたデフレ経済の方向に進むのではないか。

筆者の提案は国債発行を財源としたベーシックインカムの実行だ。つまり全国民に同額の現金を定期的に給付する。実際2年前、政府はコロナ禍から国民を救うために全国民に10万円を給付した。これにより激しいインフレとか国債の暴落とかはなかったし、これでデフレ脱却宣言が出せるわけでもなかった。むしろ10万円では少なすぎると考えた人が多かったに違いない。我々は日経新聞社のNEEDS日本経済モデルを使って何がベストかを知るために計算してみた。日本経済を成長軌道に乗せるためには例えば全国民に年間80万円(例えば3か月ごとに20万円)の現金給付をすればよいという結論に達した。

2008年、ポール・クルーグマンがノーベル賞を受賞したときは日本だけでなく、世界中が大不況だった。彼は『今、世界は「不思議の国のアリス」にいる。この世界では貯蓄を高めること、財政を健全化することが悪いこと。財政赤字を拡大することが善いこと。あべこべの世界だ。』と語った。日本だけはまだあべこべの世界にいる。需要不足が続いている日本では財政健全化が悪いこと、財政赤字を増やすことが善いことなのである。一方、英国など日本以外の先進国は需要が大きすぎて供給が追いつかなくてインフレ率が高くなっているのであべこべの世界ではない。金利を上げ財政の健全化を目指さしてインフレを止めなければならない。

日本は恐ろしい「不思議の国のアリス」に30年間も留まっているから果てしなく貧乏になってしまう。岸田首相、日本を貧乏の地獄から抜け出す方法を考えて下さい。

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2022年9月23日 (金)

日本経済復活の会の活動記録(No. 475)

日本経済復活の会は2002年に設立された。当時は小泉首相が「痛みに耐えよ」と国民に訴えていた。しかし小泉首相は国民が痛みに耐えたら、ますます需要が減少し、企業の売上げが減少、日本の経済規模が縮小し日本が貧乏になるのは明かだ。実際日本国民はこの恐ろしい提案を素直に受け入れて、みるみる貧乏になってしまった。そもそも国の借金が大変だという考えが根本的に間違っていた。それを示す最良の方法は計量経済学を駆使しシミュレーションをして結果を見せる事だと思った。そこでこの分野で日本の第一人者である宍戸駿太郎先生にご協力をお願いし、快く引き受けて頂いた。そこで私と宍戸先生、さらに協力すると約束して下さった牧野聖修衆議院議員の3名で日本経済復活の会を立ち上げた。

 

最初に日経新聞社と契約し日経が開発したNEEDS日本経済モデルを使ってシミュレーションを行い、積極財政を行うことにより日本経済が再び発展し、インフレ率も金利も正常化する事を示した。この結果を信じてよいのか、二人のノーベル経済学者に聞いてみた。最初は経済学における世界的権威ポール・サミュエルソン教授だ。彼の意見は「大規模な経済対策で景気が回復するならインフレ率は気にしなくて良い。目的は流動性の罠を抜け出すことなのだから。」と好意的だった。次に計量経済学の世界的権威ローレンス・クライン教授からも好意的な手紙が来た。「興味深いシミュレーション結果を有り難うございました。私の提案は通貨の膨張(通貨発行)です。減税に加え教育に投資するとよい。」ということだった。この二人の見解に励まされ結果を論文にまとめ発表した。

 

最初に反応したのは亀井静香衆議院議員だった。2003年2月24日に赤坂の料亭「重箱」に来てくれとの連絡が入った。私と亀井氏に加え川路耕一氏(光陽グループ代表 毎年日本の長者番付で上位にランクインしている)、前野徹氏(元東急エージェンシー社長)も同席した。亀井氏は「今年の秋の総裁選で自分が総裁になるし、そうならなくても重要ポストに就く。そのとき小野盛司さんを私のブレーンにしたい。」と述べた。

 

2003年6月17日、筆者は竹村健一に会いに行った。彼は帝国ホテルにオフィスを持っておられ、入ると8名くらいのスタッフがいる部屋があり、奥の部屋に竹村氏がいた。彼はテレビ、ラジオなどに精力的に出演し、「日本の常識は世界の非常識」などの数々の流行語を作り出し発言の影響力は極めて大きかった。私が彼にシミュレーションの結果を説明したのだが、積極財政を行えばGDPが拡大し、経済が活性化すると説明すると大変驚いておられて、「こんなことをテレビで話したら大変なことになる」と発言された。積極財政でハイパーインフレになるとか、国債が暴落するとかという説を信じておられたのだろう。「このシミュレーションを自分がテレビで話したらテレビに出して貰えなくなる」と思われたのだという印象だった。

 

それに続き週刊大衆が2003年7月21日号でこのシミュレーション結果を大きく取り上げてくれた。その翌月には野呂田芳成衆議院議員に満芳会で講演するようにお願いされた。この会は東芝・全日空・日本郵政公社・三井不動産・東京電力など日本を代表する大企業の社長・会長などが多数出席した。私の講演は大変好評だった。こういった大企業が日本経済復活の会を支持してくれればと思い、個別に交渉してみたが、大企業には様々な意見の人がいるとのことで断られた。一方、資金的にサポートして下さったのは、ケン・コーポレーション社長の田中賢介氏だった。

 

我々はローレンス・クライン教授を日本に招いてシンポジウムを開きたいことを提案し田中社長は快く引き受けて下さり、必要な経費は払うと約束して下さった。2004年10月19日、九段会館でローレンス・クライン教授を招きシンポジウムが開かれた。登壇者はクライン教授に加え筆者小野盛司、宍戸駿太郎元筑波大学副学長、リチャード・クー野村総研主席研究員、牧野聖修衆議院議員、田中健介ケン・コーポレーション社長であった。高村正彦衆議院議員、伊藤達也金融担当大臣などから祝電があった。翌日の10月20日、我々はクライン教授を衆議院第一議員会館にお連れし国会議員の前で講演を行ってもらった。議員を集めるため発起人になって頂いたのは高村正彦(前自民党副総裁)と鳩山由紀夫(元総理)であり、約100名の議員(一部は議員秘書)が集まった。これをきっかけに自民党はシミュレーションで日本経済復活を探ろうという「シンクタンク2005ジャパン」を設立した。

 

2004年10月19日のFinancial Times にはシンポジウムの詳しい紹介が載った。その他シンポシウム関連報道としては、フジサンケイビジネスアイ、産経新聞、朝日新聞(クライン氏の独占インタビュー記事)、Herald Asahi、日経金融新聞、日刊不動産経済通信、新唐人テレビなどが紹介してくれた。2007年10月26日には朝日新聞に意見広告を

1頁全面広告として出した。この広告で、戦後最長の好景気と言っていたマスコミの論調が一気に「衰退する日本」との認識に変わった。また2010年6月22日にも読売新聞に意見広告を1頁全面広告として載せた。

 

2006年9月28日にはキャピトル東急ホテルにて「日本経済復活のシナリオを語る会」というタイトルのパーティーを開催。第一部は内閣府社会経済総合研究所所長の黒田昌裕先生の講演、第二部は宍戸駿太郎(元国際大学学長、元筑波大学副学長)氏が国際レオンチェフ賞受賞の祝賀パーティーを行った。

 

2008年9月6日、小野会長がNHKの番組編成会議で講演と質疑応答。演題は「お金がなければ刷りなさい」であった。出席者は三宅民夫アナウンサー等10名で出席者全員が、我々の考えに大変好意的だったが、実際の番組では、ここでの議論は全く考慮されなかった。

 

2009年2月19日、小野会長が自民党清和会の清和政策研究会で講演を行った。この講演に関しては清和政策研究会のホームページで確認できる。

 

2010年9月24日に新時代戦略研究所(INES)第133会研究朝食会で我々のシミュレーションを紹介し、ディスカッションがおこなわれた。スピーカーは日本経済復活の会 会長 小野盛司、青山学院大学教授 榊原英資、第一生命経済研究所 熊野英生、コーディネーターは経産大臣政務官 近藤洋介衆議院議員、大和総研 原田泰であった。

 

日本経済復活の会の100回記念パーティーが2012年6月20日に開かれた。参加者は小野盛司会長、亀井静香衆議院議員、田中康夫衆議院議員、亀井亜紀子参議院議員、グレゴリー・クラーク多摩大学名誉学長、宍戸駿太郞元国際大学学長、元筑波大学副学長、三橋貴明 経済評論家・作家、 倉山満 国士舘大学体育学部・21世紀アジア学部講師、河添恵子 (株)ケイ・ユニバーサルプラニング 代表取締役 であった。

 

その後も日本経済復活の会の定例会は続いており、第158回の定例会は2022年6月19日に開かれた。

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2022年9月 2日 (金)

次世代原発の建設について(No.474)

脱炭素の目標を掲げたものの、ウクライナ戦争もあり燃料価格の上昇を受けて、経済産業省は2023年夏以降に東電柏崎刈羽原発など国内の原発計7基の再起動を目指す方針を8月24日示した。また次世代原発にも興味を示しているようだ。筆者は理論物理学を専攻し東大で博士号を取得したわけで、この話題には興味がある。

福島の原発事故はひどかった。しかし国民・政府・電力会社が軽水炉の仕組みを正しく理解していたら、事故を防ぐ方法はいくらでもあった。政府は原発の再起動を急いでいるようだが、対策を十分行っているなら、緊急対策としてこれに反対すべきではないと考える。しかしこれらの原発は軽水炉であり、危険は残る。一方原発を小型化し炉を冷やすだけに十分な水の中に炉を入れておくなら、全電源が失われても冷却は可能で原子炉が暴走して大事故になることはない。これは小型モジュール炉(SMR)と呼ばれ、安全で建設費が安いので脚光を浴びている。従来の原発は100万KW程度の出力に対し、SMRだと10万KW程度だが標準化して大量生産すれば価格は下げられる。しかも電力消費地の近くに建設可能である。

例えば、ロシアのSMRは3.5万KWを2基載せた海上浮体式であり2020年から北極圏の沿岸で商業運転している。電力が必要な所に臨機応変に移動できる。米国の振興企業ニュースケール・パワーは1基7.7万KWのSMRを複数設置する。その際の発電コストは1KWあたり3000ドル以下であり、一方大型炉は5000ドル以上する。老朽化した石炭火力をSMRで置き換えることができる。1基7.7万KWの炉を最大12基まで連結できる。全電源が失われても大量の水の中に入れておくので、冷却に困ることはない。三菱重工業が開発しているマイクロ炉はトラックで運べる。燃料交換無しで25年間使用可能である。2040年運転開始の予定である。

水冷でなくヘリウムガスで冷やすのが高温ガス炉である。日本原子力研究開発機構大洗研究所で2004年4月に950℃のガスを取り出すことに成功し世界最高レベルであることを示した。これだけの技術があれば水素をCO₂の発生なくして製造できる。しかし日本には核アレルギーがあり、国内に炉を建設するのは極めて困難だったので、諸外国(ポーランド、英国、カザフスタン等)での建設に協力するだけになっている。これは極めて残念であり、脱炭素に向けて国内に高温ガス炉の実用炉の建設を検討すべきだ。一方中国はすでに高温ガス炉を建設し、送電網接続発電に成功している。

ナトリウム冷却高速炉は世界で開発が加速している。ロシア、中国、インド、米国、カナダ、フランスなどである。ナトリウムで冷却する利点は、高速の中性子を使って、核燃料を効率よく燃やすことができる点である。日本の原発は副産物として大量のプルトニウムが発生するが、これは原爆の製造に使われるもので、貯蔵するだけでも大変危険なものである。高速炉ならプルトニウムも燃やすことができ、放射性廃棄物を大幅に減らすことができる。日本はもんじゅの開発を通じてナトリウムによる冷却に関して多くの知識を蓄積したのだから、それを無駄にするのは余りにも勿体ない。諸外国と連携し、ナトリウム冷却高速炉を建設し、バスに乗り遅れないよう努力する必要がある。重要なことは過度の核アレルギーを排除し、安全な原子炉の建設の努力を続けるべきだ。ロシアのウクライナ侵攻で燃料価格が高騰し原発への期待が諸外国で高まっている。経済産業省の審議会は8月9日、次世代の原子力発電所の技術開発に関する工程表をまとめた。脱原発でなく、「脱危険な原発」という考えで研究開発を進めるべきである。

 

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2022年8月16日 (火)

内閣府計量分析室の試算に裏に隠された真実(No.473)

内閣府の試算には失望させられるばかりだが希望はある。それはその試算の影響力の大きさだ。信頼性を疑う試算だが、それでも政府・マスコミ・経済評論家・国民に与える影響は絶大である。2008年1月17日に内閣府が発表した「日本経済の進路と戦略」という試算は特別だった。そこでは成長シナリオとリスクシナリオが計算してあるのだが、それに加えケースAとケースBも計算されていた。つまり成長A,成長B,リスクA,リスクBの4通りの試算が出されていた。ケースAとケースBの唯一の違いは歳出の規模だった。ケースAは緊縮財政、ケースBは積極財政である。結果は積極財政の方が緊縮財政より名目GDPも実質GDPも大きく増加、物価は積極財政の方が、0.1ポイントだけ高くなり、失業率は積極財政の方が低くなる。国の借金は積極財政の方が大きくなるが、GDPも増えるため国の借金のGDP比は逆に下がる。一方で基礎的財政収支は緊縮財政のほうが改善する。つまり積極財政では、国も国民生活も豊かになり、失業者も減り、物価は僅かに上昇する。この事は内閣府が発表した乗数を見て確認できる。
extension://elhekieabhbkpmcefcoobjddigjcaadp/https://www5.cao.go.jp/keizai3/econome/ef2rrrrr-summary.pdf
唯一悪化するのは基礎的財政収支だが、これは国民の生活には関係ないしこんなものを国家目標にしている国は日本だけであり無視して良い。

2011年度の予想
            ケースA 緊縮型        ケースB 積極型
名目GDP(兆円)    574.0              577.2
消費者物価上昇率     1.4%               1.6%
完全失業率(%)      3.4%               3.3%
歳入(兆円)       92.7               94.8
歳出(兆円)       95.2               96.1
債務の対GDP比    137.1              137.0

唯一緊縮型が改善されたと主張していたのは基礎的財政収支だ。マイナス0.1%になると予測したが、実際はマイナス32.3%であり、なんと予測の3000倍以上の赤字になった。つまり基礎的財政収支の予測は意味が無いが、緊縮型より積極型の方が、国を豊かにすることだけは明か信頼してよい。これは内閣府に限らず、どのモデルを使っても同様な結論となる。通貨を発行して国民に渡せば国も国民も豊かになるのは自明の理だ。

内閣府の試算では名目GDPが3%成長するという結果を出しており現実離れしているという事は次のサイトで示した。
http://ajer.cocolog-nifty.com/blog/2022/08/post-ea1155.html
内閣府の予測が当たっていないと言える。しかし内閣府の試算では毎年歳出を増やすと仮定してあるのだが、政府は歳出を増やさないようにしているので当たるわけがない。当然のことだが、名目3%成長を目標とするなら、当然歳出も毎年3%ずつ増やさなければ無理だ。内閣府の試算は歳出を毎年3%ずつ増やすと仮定しているからこそ名目3%成長の結果となる。実績では例えば1999年度の歳出は89兆円で、2019年度は101.4兆円であり年率の増加率に直すと僅か0.65%にすぎない。もし年率3%で歳出を増やしていたら2019年度の歳出は161兆円になってなければならなかった。結果として国の借金は増えるが、名目GDPが大きく増えるので国の借金の対GDP比は減少する。これは内閣府の試算でも確認されており財政は健全化に向かう。今後政府は内閣府の試算で仮定されたように、歳出を毎年3%ずつ増やすべきだ。

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2022年8月 8日 (月)

【続】内閣府計量分析室(オオカミ少年)が経済財政に関する試算を発表した(No.472)

内閣府の試算には失望させられるばかりだが、希望はある。それはその試算の影響力の大きさだ。信頼性を疑う試算だが、それでも政府・マスコミ・経済評論家・国民に与える影響は絶大である。2008年1月17日に内閣府が発表した「日本経済の進路と戦略」という試算は特別だった。そこでは成長シナリオとリスクシナリオが計算してあるのだが、それに加えケースAとケースBも計算されていた。つまり成長A,成長B,リスクA,リスクBの4通りの試算が出されていた。ケースAとケースBの唯一の違いは歳出の規模だった。ケースAは緊縮財政、ケースBは積極財政だった。結果は積極財政の方が緊縮財政より名目GDPも実質GDPも大きく増加、物価は積極財政の方が、0.1ポイントだけ高くなり、失業率は積極財政の方が、低くなる。国の借金は積極財政の方が大きくなるが、GDPも増えるため国の借金のGDP比は逆に下がる。一方で基礎的財政収支は緊縮財政のほうが改善する。つまり積極財政では、国も国民生活も豊かになり、失業者も減り、物価は僅かに上昇する。唯一悪化するのは基礎的財政収支だが、これは国民の生活には関係ないしこんなものを国家目標にしている国は日本だけだ。

内閣府計量分析室に2回電話して質問した。

【第1回】
Q 先週末に中長期の経済財政に関する試算を出されましたが、これについて質問します。14頁から参考資料が示されています。そこでは半年前との比較が出ています。以前の発表には無かったのに今回出てきたのはなぜですか。
A 15頁、16頁の比較は今回が初めてなのですが、17頁、18頁の「コロナ前試算との比較」というところもあります。
Q 今までは潜在成長率は出ていませんでしたが今度は出ました。国・地方の公債等残高対GDP比は悪い方向に動いてますね。
A はい。
Q こういったものを敢えて出されたのはどうしてですか。
A 今まではこういったポイント資料を出していたのですが、今まで抜けていたものを参考資料として出しました。
Q どちらかと言えば悪い方向に、下方修正になっていますがその理由を教えてください。
A 年央試算で下方修正になったからです。
Q 確かに1月17日に発表された試算では2022年度の成長率は名目3.6%、実質3.2%となっていますが、7月25日の発表では名目2.1%、実質2.0%に下方修正されています。しかし2023年度から2031年度は計量分析室で計算したわけで、その部分も下方修正されていますね。
A はい。
Q 下方修正は今回だけではありません。20年近くの間、同様な下方修正を繰り返していますね。
A はい。
Q 名目3%成長、実質2%成長が政府の目標ですから成長実現ケースではこれに従わなくてはいけないのだという話を何回も聞きました。
二十数年前からGDPはほとんど成長していない、世界にこれだけ経済が停滞している国はないという位、世界最悪の状態が続いている。今回は31年度まで計算してありますが、過去のデータを見れば3%成長をするわけがない。余程思い切った政策をやらないと3%成長など夢の又夢です。今のままだとほぼゼロ成長がずっと続いていく。過去の経験からすれば今後もゼロ成長が続くのではないか。でも立場上そんな発言はできないということかもしれません。
A はい。そのような指摘を受けるところですが、政府が目指すところを描いているところでもあります。
Q 例えば自民党の中でも積極財政派と財政健全化派がいて鋭く対立していて骨太方針を決めるときもめました。基礎的財政収支黒字化は目標からはずそうという意見が強く、そうすることに一旦なりましたが、最終的には僅かに過去からの痕跡みたいな注釈が残りました。自民党の中でも積極財政派と財政健全化派が対立しています。どちらが正しいのかを内閣府の試算で財政を拡大する場合としない場合の計算をして比較すべきです。
A はい。
Q それはできないのですか。
A 私がお答えすることはできないのです。そういったことは難しいのかなと思っています。
Q 以前、基礎的財政収支がいつ黒字化するかということで、毎回計算しておられますね。
A はい。
Q 基礎的財政収支改善のために歳出を削減するという試算を内閣府でやっていました。大きく歳出を削減する場合をケースA、少しだけ歳出を削減する場合をケースBとして計算し結果が公表されました。相対的にはケースAが緊縮財政、ケースBが積極財政と言えます。発表された結果によると積極財政のほうが緊縮財政よりGDPが拡大し、失業率も減少、物価は0.1ポイントだけ上昇し、さらに債務残高の対GDP比も減少するという結果が出されています。こういった計算を再度行うべきだと思います。成長シナリオでケースAとケースBを計算して今の日本にとってどちらがよいのかは、政治家の方々や国民に判断してもらえばよいわけです。そういった計算はどう思いますか。
A そういったケースのどちらがよいかというのは、一概には言えないと思います。
Q そういった計算をして結果を出すと議員とか国民に考える材料を与えることになりますね。
A はい。そういった事でご意見を承っておきます。
Q 3%成長という線を引いておられますが、成長を助けるものは何かを見ると、やはりこの計算でも財政を拡大していますね。GDPが増えたら税収も増える、それに伴って歳出も増やす。上昇軌道に乗ると、来年度は税収が増えると見込んで歳出を増やすことになり、毎年毎年歳出が増えていくことになります。かつての日本は成長期ではそうしていた。60年代から80年代まで、歳出を決めるときに来年度の税収はこの位増えるだろうとして予算を組んでいた。そうすると増えていく。だから歳出は毎年増えていた。むしろ60年代は税収が増えすぎるから、様々な控除を設定して所得税減税を行っていた。そして減税をしながら税収は増えていった。成長するとそうなる。一方で現在は成長しないから、税収は増えない。だから歳出は増やせず、結果として極めて低成長になる。政権側から名目3%、実質2%、インフレ率2%となるようにせよとプレッシャーが掛かるのでしょうか。
A そういったことがないわけではない。
Q そういった自主規制のようなもので計算していますか。結果として3%成長しない。だから毎年下方修正せざるを得ない。3%成長すると言っておきながら、実際次の発表時には成長していない。しかたなく、下方修正をして今後は3%成長しますと言う。結局国民を騙し続けている。そろそろ考え直してみませんか。
Q はい、分かりました。承りました。
A 2021年度の歳出は144.6兆円、22年度は110.3兆円で34.3兆円減っている。素朴に考えればこれだけ歳出が減ったらGDPは大きく下がるはず。普通のモデルなら当然そうなりますが、ここでは逆に上がっている。これはなぜですか。
Q お答えできかねます。
A 歳出ですが2020年、21年で随分増えている。22年は大きく減っている。
Q そうですね。
A 普通のモデルなら34兆円も減らすと、GDPも大きく減少するはずなのに2.1%増えている。なぜか。
Q 予算の使い残しがあって翌年に繰り越されているのではないか。補正予算がどのように使われているのかを説明してください。
― 担当者は、まともに答える気があるように見えないので電話を切った。 ― 

【第2回】再び電話
Q 先週、中長期の経済財政に関する試算が出されました。日本経済は実質賃金は二十数年間下がり続けている。その間GDPも成長率はほぼゼロである。この試算は1年に2回出しておられますが、毎回、実質2%、名目3%ということが仮定されているみたいです。
A はい
Q 金利も毎年上がる予想が出ている。
A はい
Q 実績と比べてみると全然当たっていない。
A はい
Q どうして当たらないのですか。
A 当たる・当たらないという話はそうですね。結果的にはそうなっているのですけど。
Q 結果的にそうなっているということならば、成長実現ケースでの予測はどうせ当たらないと思われても仕方ない。国を動かすためにはある程度予測が正確でないと難しい。天気予報もだんだん正確になってきている。内閣府の試算は毎年進歩しているかと言えば、そうではなく同じ間違いを繰り返している。
A はい。
Q 例えば、今回参考資料が出ていて、半年前の発表に比べ今回は下方修正されているという比較がしてありますね。
A はい。
Q 十数年間、毎年下方修正をしながら出している。それよりも最初から下方修正をしておけばよいのではないか。
A はい。そういったご意見も受け止めながら今後も作成していきたいと思います。
Q 私も何回も電話してそのことを言うのですが、それは試算に反映されてないですね。覚えておられるかどうか分かりませんが2008年の1月17日の内閣府の試算はちょっと違っていました。成長実現ケースの中でもケースAとケースBを計算しておられる。ケースAとケースBでは歳出の額だけが違っている。Aの場合は緊縮財政、Bの場合は積極財政なのです。2つのケースを見たら積極財政の方がGDPは拡大し、失業率は減少、累積債務の対GDP比は減少しています。これは内閣府で乗数を出しておられるので言うまでもないことですね。唯一緊縮財政が良いのは基礎的財政収支が改善するということだけです。これは政治家やマスコミ、一般国民が判断する材料としてとても価値が高いのではないでしょうか。基礎的財政収支さえ黒字化すれば日本は潰れても良い、国民がどんなに貧乏になっても良いという考えもあるかもしれない。いやそうではなくて、積極財政で国民・国家を豊かにしたほうが良いと考える人もいるかもしれない。それは内閣府で判断するのでなく、政府・政治家・国民に考えてもらえばよいのではないか。これが私の率直な感想なのです。なぜか2008年だけその比較が示され、それ以外の年はその比較は行われていない。内閣府計量分析室の中の人でケースA、Bの歳出の額を決めた人を私は知っています。どうしてその後歳出の額だけを変えたケースを計算しなくなったのですか。
A ちょっと分かりません。2008年には私はここにいませんでした。
B 当時、誰がその方針を決めたのでしょう。当時はケースAとケースBの場合が新聞にデカデカ取り上げられて国民の関心も高かった。計量分析室の中のどなたかが、この2つのケースを計算してみようと決めたのだと思います。だからもう一度同様な計算をやって頂けないかと思います。自民党の中でも野党の中でも積極派と緊縮派が鋭く対立してますね。どちらが良いのかを考える時、こういう比較が内閣府から出されていれば、国民の生活を考える上で重要なヒントを与えることになります。参議院でも同様な計算が行われていますし、日経のNEEDS日本経済モデルを使った計算もあります。乗数を出しておられますので乗数を見ればどういう結果になるかは一目瞭然なのですが、でも内閣府計量分析室が比較試算を出せば非常に影響力が大きい。もしかすると停滞を続ける日本経済を救うかもしれないと思っています。どちらがよいと内閣府で決めつけるのでなく、中立な立場でディスカッションの材料を提供すると良いと思うのですがどうお考えですか。
A ご意見を参考にさせて頂きたいと思っております。
Q どうすればそれが実行されるでしょう。こういった判断は内閣府計量分析室でできるのか、あるいは政府・自民党などと相談するのか。誰がそれを決定できるのですか。
A 内閣府計量分析室単体ではできません。
Q だから上の方からの指示が必要ということですか。今の政策で本当に3%成長すると思いますか。あるいは0%成長が続くのでしょうか。
A 将来の姿は試算で書いてありますから、その通りです。
Q 2018年に乗数を発表しておられていて、大凡の振る舞いは分かるわけで、ゼロ成長がこれだけ長く続くということは歳出を増やしていないということ。歳出を増やさなければ成長するわけがない。韓国・台湾・中国なども急成長している。日本だけが成長しない。どこが違うのか。歳出を増やさない事に原因があると思います。
A はい。
Q 政府から要望があれば、出せますか。
A 必ず出せるというわけでもない。

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【コメント】
近年は内閣府計量分析室の方々は非常に知識が豊富で丁寧な受け答えをして下さっておりました。今回は知識が貧弱で、丁寧な説明を拒んでいるように思えました。

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2022年8月 7日 (日)

内閣府計量分析室(オオカミ少年)が経済財政に関する試算を発表した(No.471)

内閣府は年2回「中長期の経済財政に関する試算」を発表している。日本には経済財政に関する試算を発表しているシンクタンクは多数あるが、その信頼性に関しては内閣府のものが最悪である。それは内閣府の担当者の質が悪いのではなく、きつい制約があるので自由な解析ができず、その制約の下で計算すると、全く現実離れした予測しか出せないのだ。その制約とは
① 名目成長率3%、実質成長率2%、インフレ率2%
② 発射台となる今年度の成長率は事前に定められ閣議決定されるので、これは決して動かせない。
つまりシミュレーションの出発点は事前に固定され、成長率も固定されているので内閣府計量分析室には身動きが取れなくなっている。もちろん、この制約が過去の日本経済と整合的であれば、問題はないのだが、現実は過去の成長率は世界最低でほぼゼロ成長が続いている。正常な判断力を持つ人間であれば、今後30年もやはり世界最低レベルの成長率が続き、やがて日本は世界最貧国に近づくと予想するだろう。しかし計算を担当している内閣府計量分析室がそのような悲観的な試算を出せば、国民の支持は失われ政権が維持できなくなる。これはかつての大本営発表と同じで、国民が嘘に気付いたときには国土は焼け野原になっていて多数の人命が失われていた。

試算を出す度に厳しい批判を受けているので、今回は半年前の発表より経済が悪化していることを認め、参考資料としてどの程度悪化したかを示した。2022年の実質GDP成長率では半年前は3.2%となっていたが、今回は2.0%にまで下方修正された。同様に名目GDPは3.6%から2.1%に下方修正された。このような下方修正が2~3回程度なら特別追求すべき事でもないが、同様な下方修正を実に20年も繰り返している。

次に示すのは内閣府が予測した名目GDPと実績値との比較だ。実績はゼロ成長なのだが、毎年3%成長になるように現実離れをした予測を出している。小学生にグラフをみせて、将来どうなるかを予想してもらえばよい。ほぼゼロ成長の予想をするだろうし、内閣府の予想より遥かに精度が高いだろう。

1_20220807153601

金利の予想も実績と比較してみよう。

2_20220807152301

実績値は下落気味で2016年度からはほぼゼロに固定されている。右上がりの線は2002年度から2022年度までに内閣府が発表した予測である。こちらも小学生のほうが内閣府よりはるかに高い精度で予測するだろう。本当に多額の税金を使ってこのような馬鹿な試算を出し続ける価値があるのだろうか。内閣府計量分析室は2018年に乗数を発表した。歳出を減らしたらGDPも減少すると予測。詳しくは以下のサイトを参照して頂きたい。
https://www5.cao.go.jp/keizai3/econome.html
ところが今回の発表では次のグラフのように歳出が減っても名目GDPが増えている。

3_20220807152301

内閣府計量分析室によるとこの件に関しては別な部署に責任があると主張して理由を説明しようとしない。

本来なら景気が悪化し成長率が世界最悪レベルになれば、政権は吹っ飛び、経済を建て直すと主張する野党が政権を取るだろう。2009年、政権交代した民主党はマニフェストで約束した事は実行せず景気回復どころか東日本大震災の対応に失敗し、更に復興資金として所得税を増税し、更に消費増税まで決め株価も低迷した。しかも外交でことごとく失敗し、真に地獄の世界で国民は二度と民主党は嫌だという強い拒否反応が出てきて自民党の一党支配を許す結果となっている。

今回の予測も今までと変わりはない。過去に出された予測がすべて間違いだったとして、今年度の成長率を下方修正し将来的には名目3%成長しますというもの。オオカミ少年は2回までは信じてもらえたが、3回目は信じてもらえなかった。内閣府の試算は「今年度は大はずれで下方修正をしますが、今後は名目3%成長をします」という嘘を20年前から言い続けているのだ。今こそ国民は偽りの試算で国民を騙すのは止めろと抗議すべきだ。そして実質2%、名目3%の成長率にするには、財政規模をどこまで拡大しなければならないかを示させるべきだ。財政赤字は悪だという社会通念を打破し、財政支出を拡大した場合、日本経済はどの程度発展するのかを計算し発表すべきだ。社会通念の打破はコペルニクス的な発想の転換が求められる。財政赤字の拡大はモラル低下でも腐敗でもなく、事実上政府が通貨を発行し、経済拡大のための成長通貨の供給を行っているだけである。企業なら赤字が続くと破綻するが、国は通貨発行権を持っていて破綻はせず、いつでも通貨発行はできるし、発行しなければならない。通貨発行でかつて世界を驚かせた経済復興を再現しようではないか。
参考文献:『毎年120万円を配れば日本が幸せになれる』『ベーシックインカムで日本経済が蘇る』

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